言葉のクローバー

お望月うさぎ

種から苗。植物にはまだ遠く

​​とぉりゃんせ とぉりゃんせ


童女の声がした


​​こぉこはどぉこのお通りじゃ


目を開けても、真っ暗で何も見えない


​​てんじんさまのお通りじゃ


瞬間、何もかもを思い出せなかった

ただ、ぼんやりとしていた


​ちょぉっと通してくりゃしゃんせ


何かを書こうと私は思った


​行きはよいよい帰りはこわい


ここで湖の底の泥につくように思い至った感覚はよく覚えている


​怖いながらもとおりゃんせ。とおりゃんせ


私は、神様を書き出そうとしていた

空はとても綺麗なのに、高くて遠い

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