第2話 その男。

その男性は、宝くじに当たり

豪遊した挙げ句、、、誰にも

相手にされなくなってしまったのだ。



研究者達が言う。

『人相だけは、一人前だな。』


研究者達は……話し込んでいた。


『この男性、人体実験というよりかどちらかと言うと……

我々側だよね……。』


『ちょっと、交渉してみよう。』



一人の研究者が、その人相だけは

一人前の男に、話を持ちかけた。


『君!!ちょっとここの話を

するから別室へ来て……。』


その男性が研究者達の部屋を見て

ゾッとした!!



臓物のホルマリン漬けが……ところ狭しとたくさん並んでいた。

そこには、張り紙があった。


とだけ書いてあった。


太った男は、全身が凍えるかの様に震えながらも、助けを

求めていた。


『ちょっと、いいかね!!』


研究者達が急にキツい口調に

なった。



その男は……みんなに責め立て

られ続けて、何を言われているのか理解が出来なかった。



理解出来た事は……たった一つ。



男性は……パニックを起こした。

ホルマリン漬けの臓物を

見ては、恐怖を覚え


先程、ご馳走になったステーキを

全部吐いてしまったのだ。



男性は……

『助けてくれ!!ここから出してくれ!!お願いだ!』


頼むから。…………。



男性は……精魂尽きて倒れ

気を失ってしまった。



男性が、目を覚まし気が付くと

足が……切断手術されていた。



一人のドクターが来て言い放った。


『君!!ここの話をしても誰も

信用しないよ。君と僕じゃ

立場が違い過ぎだからね!』


ドクターは、高笑いをして

愉快そうに消えていった……。



男は失望感で……いっぱいだった。


事実を知ったその男は全てを

悟った。



ビル内では、囚人達と独居老人達が、食事を堪能していた。


宝くじに当たった両足が無くなった男性は……


両ひじを使い、地べたを這いつくばり出した。


ようやく非常階段についた時、



ラジオからニュースが

かすかに聞こえた。




男は、気が遠くなる中で、

『あぁ、内部告発か……。』


そのニュースが、本当かウソか

分からなかった。男は

グルグルと目が回り、思考も

可笑しくなってきた。



男性は……薄れゆく記憶の中で




そう安心して考えた瞬間に、

男は、息を引き取った……。



研究者達は、カルテに書き加えた。



《人体実験計画完了。

外部からの人間にとっては、

少々、ショック症状あり。》


と書き加えた……。



ニュースが流れてきた。亡くなった男が、最後に聞いた通りの

内容であった。



~誰かの密告?~


そのビル内では、連絡網があり過ぎたのだ。研究者達とドクターらは、


緊急記者会見を開いて、


その場を取り繕おうとした。

その緊急記者会見に臨んだ

研究者達は……



皆が、ヘラヘラと薄笑いを浮かべていた。その顔を見た……

取材に来たカメラマンは


研究者達を見て、ゾッとした。





気が付いたカメラマンはビルの

内部に偵察班を忍ばせた。



《《研究者ビル!!老婆が

内部告発!!》》



老婆の様子を見て、囚人達が

密かに連絡網を、回していた。



『まぁ、パパには……褒められたしね!』

痴呆気味の老婆は……夢と現実の

狭間にいた。




薄れゆく記憶の中…………




老婆の見た、夢とは


一体……何だったのだろうか。







【END】

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死への非常階段 たから聖 @08061012

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