No.1のVTuber(幼馴染)が俺を養ってくれるそうです
桜井正宗
VTuberの幼馴染が養ってくれるそうです
高校二年に上がり、悪友・
おこづかいは直ぐに底をつき、俺は
ある日、教室内で過去の動画を視聴していると、幼馴染の『
珍しいな、いつも俺に冷たいのに。
ほんの数年前までは、普通に話しかけてくれただけど今はツンツンだった。やっぱり高校生にもなると彼氏とか出来ちゃうのかな。だから、自然と距離感が出来ていた。
そう思っていたのに。
隣の席の桜花は、焦った表情で俺に話しかけてきたのだ。
「あ、あの……ショウくん、それ」
「ああ、
「う、うん。別にダメとか言ってないよ。あのさ、その子って」
スマホに映し出されている『
俺もファンのひとりだった。
「なんだ、桜花も知ってるんだ?」
「あ、あのね。実はその『
桜花は不思議なことを口にした。
え、
うそだろ??
「いや、信じられないんだが」
「じゃあ、証拠を見せればいいんだよね!?」
桜花は、ぷんぷんと怒ってスマホを取り出す。ムキになってタップを連打する。どうやら、動画サイト・ユーチューブのアカウントにログインしたようだ。
画面を見せてもらうと――
そこには確かに『
なら、中の人の方が納得できるわけでして……。
え、え……ええッ!?
「本物だ!!」
「言ったでしょ! 本物なんだから! ねえ、ショウくん、もしかして君って『ショウ』でいつも投げ銭してくれてる人だよね」
「ば、ばれてたの?」
「うん。だって名前そのまんまなんだもん。本名とかおまぬけさん?」
うわぁ、どうやら桜花にモロバレしていたみたいだ。くぅ、俺は桜花と知らずに投げ銭しまくっていたのか。今まで十万以上は使ったぞ。
つまり俺は、幼馴染の桜花にお金をあげていただけかよ。
「びっくりしたよ。まさか、桜花がVTuberやってたとか。しかも、No.1じゃん。毎日、ネットニュースで話題だし、ツイッターのトレンドでも度々入っているし」
そう、ここ最近はどんどん盛り上がって『
もちろん、俺は全部登録してフォローしていたので知っていた。
「わたしも身近にファンがいるとは思わなかった。しかも、幼馴染のショウくんとかさ、信じらんない! ていうか、嬉しいっ」
「た、たまたまだよ。俺は中の人が桜花って気づかなかったわけだし」
「ううん。でも嬉しいの。そうだ、また昔みたいに仲良くやらない?」
「え……いいのか」
「うん。最近話しかけてあげられなかったのもVTuberで忙しかったせいだから、今まで冷たくしてごめんね」
それで態度が急変したんだ。
おかしいと思った。
ということは……。
「疑うようで悪いんだけど、彼氏はいないんだな?」
「い、いないよ、そんなの! ファンともリアルで会ったことないし」
そうなのか。
人気者なら、毎日メッセージとかありそうだけど、丁重にお断りしているんだな。さすがプロ。きちんとしているんだ。
「分かった。俺も桜花とまた仲良くしたかったし」
「うんうん。ショウくん、良かったら、わたしのマンションに住まない? 実は、今週引っ越すの。手伝ってくれる人を探していてさ。ほら、機材とか大変だし」
「なるほどな。でもいいのか、俺なんかで」
「いいよ。
――その通り。
なにげに十年以上の付き合いだし、ご近所さんでもあった。それがNo.1のVTuberとか夢のようだ。目の前に生身の本物がいるんだからな。ネットでは、あの伝説になりつつある『
やばいな、それ。
……って、ん!?
マジか!!
***おねがい***
続きが読みたいと思ったらでいいので『★×3』をしていただけると非常に助かります。
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