草食系をいきるもの

お題：恋の女祭り! 制限時間：15分

　草食系が悪いのか、あるいはハーレムが悪いのか。

　青年はどっちでもないと言い張りたかったが、周りにいる女性はみんな青年が好きだった。好きといったこともないのに、いつも側にいる。愛してると耳元で囁いてくる。

　認識阻害を受けてるんじゃないかという程度に、青年の見た目は普通で、モテる要素などなかった。キモくはないが、普通。その他大勢に属する人間だった。

　それなのに、婚約者になった女性が4人もいる。

　どの女性もレベルが高く、ロリ、巨乳、エルフ、僕とジャンルがわかれてる。趣味は違うし、性格も違うのに、彼女たちは仲が良かった。一緒にお風呂に入ったり、愛撫しあったりと、青年の愛を受け止める準備をしてた。

　ちなみに青年が好きなのは……であるが、他人に知られてない。これが知られると、婚約者はそれを目指すというか、そういった格好を日頃からすることになるだろう。部屋に置いてあるパソコンは厳重にロックがしてあって、趣味を伺うことはできない。そういったエロい本はアナログで持たない。しいていえば、抱きまくらカバーが可愛い女の子なぐらい。別にロリコンとかそういうのではなく、愛用してるのが女の子が写ったカバーなだけであった。

　そうよく否定してるが、ロリコンだなと周囲には思われてる。

　そのため、ロリ、僕が婚約者の中でも上の方に位置してる。

　同棲してるため、同じ部屋で、同じ空気を吸う。たったそれだけでも青年には負担だった。

　一緒のベッドで寝て、欲情しないわけもなく……だが、出すわけもなかった。

　5人で眠るベッドでいったい誰に手を出せばいいのか、わからないといつも否定してる。女性は誰からでもむしろ全員でもいいと思ってることに青年は気づかない。

　なにかの洗脳を受けてると、距離を置く。

　眠ることは得意で、いかに欲情してても5分で眠れた。

　朝起きると、みんな抱きついてるので、再度欲情するのだが、大事に扱いながら、それを剥がして起きてる。

　毎度のことではあるが、毎度柔らかいものがピタッとくっついて、割れ目がすっと押し付けられてる。その感触にはなれない。その奥がどうなってるかの興味はたくさんあるが、実行に移せてない。

　婚約者は今日も襲ってもらうべく、会議を行う。

　そこで出たことは、試すだけ試す。

　全裸で青年を迎えたり、眠るときに全裸であったり、女体盛りであったりと、セックスアピール。いずれも青年の股間に響いたが、性の実行には至らなかった。

　恋って、たいへんなんだな。

　お風呂を満喫してる青年はそう思い、来訪者の訪れを警戒する。

　婚約者はお風呂でももちろん入ってくる。全裸でくる。

　裸が4人。

　お風呂はせませま。

　あらぬところがズームアップされる。

　本当に心臓に悪い。

　ため息をつき、今日も青年は草食系を生きる。