第4話 契約
俺が電話をかけると、3コールぐらいたったあと、電話に出た
「はい、黒江です。」
「あ、黒江さん。僕です、武田です。」
「すみません、どなたですか?」
しまった。どうやら名前を言ってなかったようだ。
「あの今日バス停でスカウトされた」
「ああ、あの方ですね。すいません名前を聞くのを忘れていました。それで、どうです?契約してもらえますか?」
「はい。あれから考えたのですが挑戦してみようかと。」
「ありがとうございます。それでは契約の話に入っていくのですが、武田さん空いている日にちはございますか?」
「明日は日曜日で、学校がないのでいつでも大丈夫です。」
「わかりました。それでは日曜日の10時からでよろしくお願いします。」
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日曜日
今日は黒江さんと契約の話をする日だ。今は西蘭の事務所の前に来ている。
「よし。行くか」
中に入ると受付の方がいた。
「あの、すみません」
「はい。何でしょうか?」
「今日10時から黒江さんとの用事があるのですが。」
「えっ、黒江さんですか?はい、わかりました。
なんでこんな人スカウトしたんだろ。」
声だだ聞こえですけど。まあそうよね、こんなイケメンじゃない男ほんとになんでスカウトしたんだろ。
「では、こちらの部屋でお待ちください。」
「はい。ありがとうございます。」
5分ほど待つと黒江さんが来た。
しかし反応は思ったのと違う反応だった
「あの、すみませんがどなたですか?」
「いやどなたって武田ですけど」
「武田さんって眼鏡かけてませんよ。」
あぁそういえばあのときは眼鏡をかけていなかったな。
「いつもはこんな感じなんですよ。」
「じゃあ眼鏡を外してもらっていいですか?」
「はい、分かりました」
でもそんな眼鏡を外したからって、何か変わるようなものではないだろ。
「あっ、あのときの武田さんです。よかった〜違う人が来たかと思いましたよ。」
「あの、そんな眼鏡を外しただけで変わります?」
「変わりますよ変わります。月とスッポンぐらい。」
えっ、そんな変わる?まあとりあえずいいか。
「で、契約というのは?」
「はい。それでは本題にうつります。まずは自己紹介からお願いします。〜〜」
その後俺と黒江さんはみっちり契約内容お確認をしていった。
「契約内容として学業を優先するとなっていますが、実際仕事によって学校を休まなければならないことも多々あります。それでもいいですか?」
「はい、大丈夫です。」
自慢ではないが俺は大学受験のための勉強が進んでいる。塾ではもうMARCHにも行けるとまで言われているほど頭がいい。まあそんな売れるわけもないので、勉強はきちんとする。
「それで武田さんが通っていらっしゃる高校は校則で芸能活動が禁止されています。なので、武田さんには越ヶ丘高校に転校してもらうことになります。大丈夫でしょうか?」
「はい、大丈夫です」
学校に友達なんていないのだ。問題ない。それより越ヶ丘だって?芸能人がいっぱい通っていると有名な、そこに俺は転校するのか。
「それでは、契約書にサインをしてください。」
「はい。」
こうして端くれの端くれだが俺は芸能人になったのであった。
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