第二十七話「触らぬ神に祟りなし」
「姉上!!」
アズラエルは焦り、叫んだ。
(ハハッ焦ってる焦ってる)
(ていうか、この女あのおっさんの姉ちゃんかよ!似てねー)
「逃げろ!!」
(何言ってんだよwww)
「無理に決まってるだろ、この魔術は第四階梯・
それを言われてもなおアズラエルは焦っている。
「やめろ!逃げてくれ!」
(あいつ何言ってんだ?)
「お前の姉が殺されたくなかったら負けを認めて引け!わかったな?」
「うるさい!逃げろ!」
どことなく自分を無視したような言動に
「だ・か・ら!無理だって言ってんだよ!聞いてんのか?お前の耳詰まってんのか?」
そして、アズラエルが何を言ってるのかさらに分からなくなる。
「早く逃げろ!お前に言ってんだ!早く姉上から離れろ!」
「あぁ?何言ってんだ?」
すでにアズラエルの姉であるミカエルは魔術で拘束しておりナイフを首に突きつけている状態だ。普通なら抜け出せない。
それは相手がミカエルじゃなかったらの話だ
「やめろ姉上!」
「はぁ?」
すると、ミカエルの体が薄く光り影鎖の呪縛が浄化される。
そして、一瞬にしてミカエルが
そして殴った。
一発ではない約百発もの回数殴ったのだ。
拳の速度は音を超え
光すら超えた。
一般人から見たら拳を構えただけに見えただろう拳に
「聖天の流星」
「はぇ?」
ミカエルの言葉と共に
アズラエルはやってしまったとばかりにため息をついている
「はぁ、姉上やりすぎです」
「あら?私何かしちゃったかしら?」
ミカエルは何をしてしまったのか分からずに首を傾げている。
「周りを見てください」
ミカエルが周りを見渡すと、お互いに戦っていたギルド《百花繚龍》のメンバーとギルド《亡者の鎌》と裏ギルドの者たちが驚きでポカンとしている。
「「「うわぁぁあああ!!!!」」」
そして、ギルド《百花繚龍》のメンバーは逃げる者たちを捕らえる為に思考を切り替えて動き出した。
「《百花繚龍》のメンバーは直ちに逃げ出したものを捕らえよ!」
アズラエルの指示が行われ、ミカエルは未だに首を傾げて考えている。
「ねぇアズちゃん。私なんかしちゃった?」
「姉上、アズちゃんと呼ぶのはやめてくださいと言っているでしょう」
そして、アズラエルはため息をついてから話を続ける。
「私たちは正体を隠しています。そして、この世界の住人たちは私たちより平均的な能力値が低いのです。そこで高すぎる、あり得ないものを見てしまえば怪しまれる場合があるのです。だから
「そうだったのね、ごめんなさい。今から気をつけるわ、アズちゃん」
「だから、アズちゃん呼びはやめてって…」
ズバァァァアアン!!
すると、遠くに大きく美しい斬撃が見えた。
「あれはヴィジーか?」
「そうみたいね。でもヴィジーさんなら大丈夫よ」
ミカエルの言葉にアズラエルは当然と言わんばかりに頷く。
「当たり前です、心配なんて必要ないですよ。それより私たちは皆の手伝いをしましょう」
「そうね、お姉ちゃん頑張るわ!」
ミカエルは両手を体の前で握った
「姉上はすでにあやつの相手で頑張ったでしょう」
アズラエルはミカエルが吹き飛ばした
「なに?あの者は逃げたみたいですな」
「大丈夫なの?」
「大丈夫ですよ、すでに私たちで倒せる相手と分かったのですから」
「そうね、それよりみんなの手伝いに行きましょう」
そして、アズラエルとミカエルは《百花繚龍》のメンバーと共に残党狩りを始めたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます