閑話3「真実」
ジン達が帰国後、神樹国家シルフィリア
セインの自室
セインはジンから貰った手紙を読んでいた。
「なんで…そのことを知っているんだ」
その手紙にはこう書かれている。
『セイン殿へ
貴方が発端で起こったこの事件ですが、貴方からしても予想外の事ばかりで家族を三人も失ったでしょう。これからは自分の罪を認めこの国をより良くするために精進してください。
魔族を引き込んだ事は秘密にしておきます。
ファウストより』
そう、今回の魔族ガニングの事件はセインが魔族ガニングを誑かし動かしたことが始まりだった。
セインは何でもできた、だけど全てが天才とはいかなかった。だから、兄達に嫉妬した。
魔術の才を持った兄、人を導くことに長けた兄。自分もみんなに見て欲しかった。
だから、魔族を街で暴れさせて、それを犠牲なく収束させる事で民にも父にも認めて欲しかったのだ。
だが、ここで問題が起きる。
ガニングが自分で召喚した悪魔に思考誘導されて予定にない行動をしたのだ。
これにより、ブラスの婚約者オーファが犠牲となった。次にムートが、そしてブラスが犠牲となった。
「クソッ!!」
セインは手紙を床に叩きつけた。
「自分が愚かな事はよくわかってる!自分が一番後悔しているんだ!何が犠牲なく収束させるだ!手に負えず他国に助けを求める事になり、家族を失った…」
セインは膝をつく。そして床を思いっきり殴る。
手の甲からは血が流れた、涙を流す卑劣で愚かな自分に怒りを覚えながら。
その日、セインは泣き続けた。後悔と悲しさ
を胸に泣き続けた。失った家族の名を叫び泣き続けた。その日の夜は長かった。
*
その後、セインは何度も家族の墓を訪れる。
そこで運命の出会いを果たすのは、また別のお話…
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