🗻
目の前で揺れるヘッドライト。
目の前で揺れるヘッドライト。それだけを頼りに高みへ登っていく。
あとどのくらいで頂上へ辿り着くのだろう。
限界をとうに超えているなんて大げさかもしれない。けれど、自分の身体が動いているのが本当に奇跡に思える。
もしかしたら、俺はここで死ぬのかもしれない。
そんなことがちょっと頭をよぎる。わずかだけど確かに脳裏を掠める。
でも、まだ大丈夫。どこまで行けるのかは未知数だけど案外やれている。
息を吸い込んで、全身の力を使ってまた一歩進む。
今、足元には光がある。自分で照らす光。
それから周りの人の光も見える。もちろんあなたの光もある。
そう。俺たちは一人ではないのだ。
ほら、上を見上げてみて。たくさんの光が列をなして連なっているでしょう。
そして、背後を振り返ってみようか。無数の光が後からついてきているのがわかるよ。
これはまさに生者の行進だ! しかもこんなに大勢の人が参加している!
俺もその一人で、あなたもその一人。
お互いにいろいろと大変なこともあるだろうし、というか今は今で結構苦しいんだけど、目指してきたゴールに近づいていることは間違いないんだ。
長く語ってきたお話も残りあと少しになった。
思い出の『夕焼けの海の話』もしてしまったから、ここから先はいよいよ敵との直接対決の場面に突入することになる。
高校三年生だった俺の夏休み最後の一日。
未だに傷跡が残る……いや、まあいいか。とにかく聞いてもらいたい。
未熟なヒーロー&ヒロインVS最強の敵。
クライマックスにふさわしい壮絶な『最終決戦の話』だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます