幕間の一日はここまで。

 幕間の一日はここまで。だけど、次に進む前にちょっとだけ。


 俺が今ここにいる経緯。この話をした理由。


 あなたは俺と同じ場所にいるから多分察知しただろう。


 これがもし国語の文章問題で、それがわかる該当の個所を抜き出しなさいと言われたら、あなたは俺が言った『○○○に○○たい』を選ぶのではないだろうか。


 でも、俺の気持ちまでは理解できなかったかもしれない。


 そんな台詞一つでここまで来てしまったのか、と呆気にとられたとしても無理はないと思う。


 だが、理由は一つじゃないと言ったはずだ。


 俺は俺が言った台詞一つでここまで来たんじゃない。


 あの夕暮れの帰り道が今に続いていること。


 その道筋は幕間の一日の一つひとつの出来事の中に、今まで話してきてこのあともう少し続く千歳との時間の中に。


 そして、語られずに忘れられたすべての輝かしい思い出の中にある。




 さてと、休憩は充分とれたかな。おや、そういえばだんだんと人が……。

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