救国の七騎士の八番目
白鷺雨月
第1話 憧れの鷹峰麗華
僕には憧れの人物がいる。
それは同級生の鷹峰麗華だ。
彼女の背は高い。
なんと百九十センチメートルはある。
スタイルも抜群だ。
その胸にはスイカのような山が二つある。
どこかからJカップはあるという噂を聞いた。
それほど彼女の胸は大きく豊かだ。
運動神経も抜群で、その巨乳を揺らしながらグラウンドを走る姿は神々しさがあった。
勉強もでき、高校二年の今、彼女は生徒会長の職にあった。
そんな彼女に出会ったのは約一年前のことだ。
僕はある不良グループに囲まれていた。
どうやらそのグループの一人の少女をいやらしい目で見たとかということが理由らしい。
しかし、目の前の金髪の少女ははじめて見る存在であった。
「あんたアタシのことじろじろ見てたでしょう」
その金髪の少女は言った。
隣にいたツーブロックの男子が僕のむなぐらをつかむ。
どうやらこいつがこの金髪の彼氏らしい。
いや、あんたらのことなんか一ミリもしらないよ。
誰かとまちがえてるんじゃない。
もしくは適当に弱そうな人間を捕まえて、自らのサディステックな欲望を満たそうというのか。
ああ、僕は不運だ。
昔からそうだった。
人付き合いが苦手で、コミ障の僕は妄想だけが生きがいであった。
体格も貧相でいつもこのような目にあう。
なんのために生まれたのかわからない。
僕の胸ぐらをつかんだツーブロックが僕の顔めがけて拳を放ちかけた瞬間、それがぴたりととまった。
何者かがその手を止めたのだ。
「いかんな」
たからかな美声。
それははるか上空から聞こえた。
その声の主は金色の髪をもつ、青い目をしたとてつもなく背の高い少女だった。
僕の顔をみるとにこりと微笑む。
ツーブロックの拳はその金髪巨乳美少女によってぴくりとも動かない。
「なんだ、おまえは」
わかりやすい驚愕の表情をして、そいつは金髪美少女を見上げる。
この場所の誰よりも彼女は背が高い。
「ふふっ正義の味方さ」
彼女はそう言うとツーブロックを突き放す。
その力はすさまじく、そいつは簡単にひっくりかえった。
彼の体は瞬時に泥だらけになる。
そうそう、昨日は雨がふっていてぬかるんでいたんだよな。
「あ、あんたは鷹峰麗華!!」
僕に因縁をつけたほうの金髪がそう言う。
どうやら彼女は背の高い少女のことをしっているようだ。
背の高い少女のほうの金髪はすごくナチュラルなものだった。一方、もう一人は染めているようで所々痛んでいるように見える。
「へえ、私のことをしっているようね。じゃあ、もうこういうのは止めたほうがいいわね」
腰に手をあて、鷹峰麗華は言った。
「くそっ!!」
そう短い言葉を言い残し、やつらはこの場をさった。
両の手の平をぱんぱんと払うと鷹峰麗華は僕の肩に手をかける。
「少年、怪我はないか」
と言った。
「は、はい。ありがとうございます」
僕は素直に礼を言う。
なんにせよ、彼女のおかげで怪我をせずにすんだ。
感謝しかない。
そして、あらためて彼女の顔を見た。
そして、僕は心を奪われた。
鷹峰麗華の白く、美しい容貌に。
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