箱 - 箱（小雨） - カクヨム

箱
箱

箱

小雨

　ガタゴト揺れるこの箱は

　たくさんの思惑を乗せて

　終点を目指し

　ガタゴト、ガタゴト・・・

　大きなスクリーンには田園風景を映したまま、

　空には真っ黒な積乱雲をまとわせて、

　太陽がこちらを覗いて

　ガタゴト、ガタゴト・・・

　駅に止まって扉が開けば

　夏の匂いが吹き込む

　箱は季節を乗せて走って

　ガタゴト、ガタゴト・・・

　季節だけじゃないのよ、この箱は

　カマキリだって猫だって乗せて走るわ

　あれ、きみも乗りたいの？

　ガタゴト、ガタゴト・・・

　私を乗せて走る、この箱は

　いつかあなたのことも乗せて走るわ

　ほら、お出口は左側だってさ

　ガタゴト、ガタゴト・・・

　ガタゴト、ガタゴト・・・

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箱小雨 @kosame1003

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作者

小雨 @kosame1003

大学一年生です。小学六年生の時に衝動的に小説を書き始めましたこういう小説投稿サイトに投稿するのは初めてで勝手がまだよくわかっておりませんが、作品を読んでもらえると幸いです。「恋」と「夜」と「雨…もっと見る