第3話 「いや、さすがに俺の事嫌いすぎじゃね?」

「……つ、疲れた」

 

 退屈な授業が終わるや否や俺は足早に教室を後にし、自宅に避難をした。

 今日の帰りのホームルームは早く終わってくれて助かった。

 少し長引くもんならほぼ間違いなく彩花が俺の事を呼びに来ていたに違いない。

 だが、明日には優斗にあの双子とどんな関係とか聞かれるんだろうな……。

 

「あぁ、どうしよう。友人とか言っとけば通じるかな……でも絶対告白(?)したこと優斗に絶対伝わるよな」

 

 頭を掻きながら俺が悩んでいると俺の家のドアの鍵が開く音が聞こえた。


「ただいまー」

 

 この声は彩花の声だ。

 と、言うことは、

 

「お、慎也帰ってたんだ」

 

 

 当然、瑠花がいるよね……。

 

「あ、あぁ。おかえり」

 

 二人とも並んで立っているが俺が一番最初に目に入ったのは瑠花のほうだ。

 瑠花は俺と目が合うなりすぐに目を逸らしてしまった。

 

「…………」

  

 この悪魔の沈黙。

 この世には俺とこの双子しか居ないかのような静寂。マジで今なら切腹できそうだ。

 

「あー!てゆうか慎也、今日瑠花に告白したらしいじゃん!」

 

 この静寂の中いきなりの大声で雰囲気を壊してくれたのはやはり彩花の方だった。

 だが、少しだけ話しやすくなったぞ。

 

「いや、あれはテンパりすぎて咄嗟にあの行動に……な!俺テンパってたよな!瑠花

 

「…………」

 

 瑠花は下を向いたまま動いてくれなかった。

 

「ちなみに慎也!瑠花には振られたらしいけど私に言えば速攻でOKしてあげるよ!」

 

 さすが彩花だ。この空気を全く理解してない。馬k……天然は助かる。

 

「……いや、遠慮するよ」

 

 そう俺が言うと彩花はガーンと効果音が出そうな顔になり俺の体をポカポカと叩き始めた。

 

「なんで!?瑠花ほうがいいの!?顔は一緒じゃん!もしかして性格は少しだけ暗い方がいいの?それなら私瑠花の真似得意だよ!」

 

 そう言うと、彩花は俺の唯一の見分けるための材料。

 ポニーテールになっている髪をほどき、瑠花にそっくりのロングヘアになった。

 いや、ほんとにこいつら似すぎだろ性格一緒だったらクラス入れ替わってもバレないだろうな。

 

「それでは!瑠花の真似行きます!

 …………いや、無理」

 

「うん。たしかに似てる……って!なんでよりにもよってその言葉なんだよぉぉ!」

 

 俺は、たまらず彩花を追い回した。

 

「あははは。ごめんごめん、ちょっとからかってみたくなっただけなんだぁ」

 

 リビングの周りをぐるぐると回り続ける俺と彩花。

 

「……ちょっと!」

 

 走り回っていると瑠花が聞いた事ないような声を出した。

 まあ、普通の人の会話ぐらいの声だけどな。

 

「…………もう、気にしてないから。は、走り回るのやめて」

 

 相変わらず俺と目を合わせてはくれないが絞り出したような声に俺と彩花は足を止めた。

 

「ごめん」「すまん」

 

 なんだか普通に言われるより罪悪感があるのは気のせいだろうか。

 

「……私、自分の部屋行くから……少し一人にして……」

 

 とぼとぼと瑠花は二階の自分の部屋に行ってしまった。

 

「俺の告白(仮)そんなに嫌だったのかな?」

 

 いやいくらなんでも俺のこと嫌いすぎじゃね?

 

「わかってないな~。慎也は」 

 

「は?どういうことだ?教えろ」

 

「嫌だねー。まずは瑠花の性格をしっかりと理解してから!話はそれからだよ~」

 

「頼む!ちょっとでいいから!」

 

「嫌だって!しつこい男は嫌われるよ!」

 

 そして俺はまた彩花とリビングでの追い回し合いが始まったのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 こんにちは!三上蒼太です。

 なんだか最近少しづつ暑くなってきましたね。ソレと同時に自分は定期考査が近いんですけど笑

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