デスゲームものの主人公に転生した俺は本編を壊して推しである黒幕の女子とラブコメる

深谷花びら大回転

そして誰もいなくなる前に目指すはラブコメ

 ここがゲームの世界で、自分が物語の主人公に転生した。


 そんな馬鹿げた話があるかッ! あり得ないだろッ! そうやって否定し続けてきた自分はとっくに消滅。開き直りの精神により、俺は架空であるべきこの世界を現実として受け入れた。


 文字に起こせば現実を直視していながら現実逃避している矛盾をはらんだ哀れ妄想人間みたいになっちゃうけれども。


 まあ夢であれ何であれ、ここが【そして誰も……】の世界であることは確か。


 画面越しで操作とかじゃなく、俺の意思で動く作中の主人公――津村つむら達敏たつとし


 大型連休を利用して友人の親が所有する別荘に宿泊。


 別荘の外観や内観。


 招待された面々。


 他にも多々あるが、あげればきりがない。


 それほどまでにここは【そして誰も……】の流れに忠実に沿っている。というかもう、そのものだ。


 ワイワイガヤガヤと明るい序盤は謂わば挨拶……翌朝見つかる死体から物語は動き出す。


 そう――この作品はデスゲームものなのだ。


 6人それぞれに客室が与えられる規模の別荘は人里離れた山奥に立地。明るかった昼間とは打って変わって大荒れの夜。ビュービューと吹き荒れる風が雨粒を窓に叩きつけてくる。


 スマホの電波は辛うじて入ってくるけれども役立たず。事件発覚後に通報したとて返ってくるのは『台風の影響で到着が遅れる』だ。


 嵐の山荘。この手の話には持ってこいの舞台装置だ。


 ただこのゲーム、評価の方はあまり高くない。作品のレビューも、



『第一の犠牲者から終盤に差し掛かるまでは非常に良かった……そこまではほんとに良かった』



『最後で台無し』



 と、5段階評価の内、1~2が多くを占めていたし。


 個人的には良作の部類に入るけど、がっかりだという声もわからんでもない。


 和気あいあいな序盤を見せつけてからの叩き落とし。仲間の死をきっかけに空気は一変、疑心暗鬼が飛び交う極限の状況下で皆が段々と独りを望むようになる。


 そんな中でも視えてくるそれぞれの人間性、過去……それらを一つ一つを知り得ていく度にキャラ達に愛着が湧いたりして。


 だからこそ惜しまれるのは、黒幕にこれといった動機がなかったことだ。多分、恐らく、十中八九、プレイヤーの口をへの字に曲げたのがそれ。


 殺したかったから殺したという黒幕の理由がそのまま酷評に繋がっていると俺は思っている。


 それでも俺はこの作品が好きだ。


 そして、何を隠そう俺が一番好きな登場人物が――黒幕の〝女子〟、坂之上さかのうえ緒薔薇おばらだ。


 後に人を殺してみたかったから殺したと語る通り彼女にはサイコパス的一面がある。


 じゃあ何故、そんな物騒な子が一番の推しかと言えば…………まあそれは後でいいか。


 1時間前の喧騒が嘘のように寝静まった夜中。もう直、彼女が俺の部屋を訪れる。


 何をしに? と問われれば俺を殺しにとしか答えようがない。


 俺は――俺が第一の被害者になるルートを選んだのだ。

 

 言い換えれば彼女と二人の状況がやってくるわけで。


 キイイィ……。


 起こさぬよう静かに開けられた扉の音は確かに俺の耳に届いていて、暗闇に慣れた瞳が来訪者の顔を捉える。


 その来訪者は紛れもなく坂之上緒薔薇で、その手には鋭利な刃物が握られている。


 話が前後してしまったが、俺はこの状況を待ち望んでいた。


 せっかくの機会なんだ――既に知っている本編をぶっ壊し、あり得ない物語を生み出してもいいじゃないか。











 たとえばそう――――黒幕の女子とのラブコメなんかを。






――――――――――――。

どうも、深谷花びら大回転です。


初めましての方は初めまして。お久しぶりの方はお久しぶりブリブリブリブリブリブリBURIBURIブチュブチュ!


すいません、クソ垂れながら再会に感動してました。



近況ノートをご覧になってくださった方はご存知かもしれませんが、わたくし同性を始めましてですね、ようやく一息つけるってことで今日投稿させていただきやした。


いやー中々に大変でしたね。大変すぎて2週間以上もカクヨムに顔を出してなかったですからね、本当に申し訳なかったですわ、さーせん(実はあんまり大変じゃなくて、同棲する前にしこたまギャンブルしてました悔いはありません嘘です悔いしかないですお金返してえええええええええええええええええええええええええええええええ!)。


で、まあ彼女にカードやらなんやら全部預けてしまったわけなんで、これからカクヨムに頻繫に顔を出そうと思いやす。


つーわけで今後とも、深谷花びら大回転をよろしゅうおなしゃす。


ではでは~

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