好き

予定があると楽しみなのにどこか不安で、

でもその予定がなくなるとくしゃくしゃな紙みたいな顔をしてしまう。


はやく会いたくて走っているのに

直前にしっかりと髪を整えて何食わぬ顔で手を振る。


ずっとあなたのことを考えているわけではないのに、ふとしたことであなたを思い出す。

道の真ん中や、スーパー、電車の中。

どこにでもそれは落ちている。


食べたいものを聞かれただけで嬉しくて

どうしようもなくあったかい。


ふたりの時間は揺蕩うように流れて

わたしはまるで湯気のように顔を綻ばせ続けている。


好きじゃないかも

そう思う日もあって、それなのに今日もあなたに会いに走っている。

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