第4話   改めての決断

 苦しい、苦しい、苦しい。

諦めたはずなのに苦しい。何もできなかった。


『それはお気の毒に…。』


そんな返信が違う人から返ってきたが、余計に苛立っただけであった。

「恋愛強者」という名の俺の翼でなければ、答えは出せないのであろうか。

彼女ならきっと俺の欲しい言葉をくれる。

哀れむのではなく、これからについて考えてくれる。俺の心の足りない部分を補ってくれる。全て希望的観測だが、これに縋ることしか俺の頭の中になかった。


助けてくれ、誰か、この沈み続ける俺を。底なし沼にはまってしまっているこの俺を。


俺は弱いんだ、とにかく。一瞬でメンタルがズタボロになる。


何もできずに時間が経ち、夜になる。親から夜ご飯ができたと言われる。俺には、この俺には答える余裕などない。返事に答えることも何もかもできない。もう一度言われるが何も答えないでいると、母が階段を上がってきた。


 「どうしたの?何かあった?」


ドアの外から母親の声が聞こえる。


 「…」


俺は沈黙を持って答えとする。


 「入るわよ。」

 「入らないで!」

 「生きてるのね。それなら返事をしなさい。そして、質問に答えなさい。」

 「…。」


ガチャッという音とともに扉が開く。俺がそっちを向くと俺の表情が見えたのであろう。母ははっとした顔になる。


 「何かあったのね。」

 「…。」

 「言いたくないの?」

 「…。」


しばらく沈黙が訪れるが、母が口を開いた。


 「じゃあ、言わなくてもいいわ。でも、これだけは聞いて、失ったことばかり考えず、今からについてみなさい。」

 「…。」


おそらく、誰かの名言であろう。胸に響いた。


 「夜ご飯持ってくるわよ。」

 「お願い。」

 「話せるんじゃないの。」

 「…。」

 「まぁ、いいわ。ちょっと待ってて。」


俺は気がついたら泣いていた。

母はそれに対して何も言わずに夜ご飯を置いて行った。

いや、正確にはそうではない。

小さく俺に聞こえない声で「あの子も大変ね。」と呟いていた。

俺にはそれは聞こえなかった。泣きながら食べた。


親に甘える。ただ、それだけの行動で気分を紛らわせられた。

そして、気分が紛らっている内になぜかもう一度恋愛強者からとの今までの会話を読み直した。後になってから理由は分からなかったけれど、他人に頼るという行為がおそらくいい方向に傾いたのだろう。


その偶然の産物によって、俺は気づいてしまった。


そこに答えが隠されていることに。

タイミングよく、ヤッホー掲示板に返信がくる。


 『答えはわかりましたか?』


返信がこないと思っていた俺の翼からの返信であった。いや、本当にタイミング良すぎるだろと思いながら、すぐに迷わず、返信を送る。


 『はい、ご迷惑をおかけしてすみません。』


そう送った。それと同時に自分の心の弱さ、決断したはずなのに決断できていない不甲斐なさにまずいなと自分で思ってしまった。


少しは強くいようと。




すみません。文字数ものすごく少ないです。じわじわ足していくと思います。

筆者のやる気につながるので、ハートと星を押してくださると幸いです。

ー次回に続くー

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