第54話 ならば死するしかなし

 権力を批判する人々がいる。今の社会は乱れ、濁り、汚れているという。

 けれどこの人々もその社会において衣食住を得ている。

 乱れ、濁り、汚れの一部を享受している。

 それらを否定しつつその周囲にいて残滓をすすっている。

 この世に生きるということはそういうことだ。

 清廉潔白に生きる?ならば死するしかなし。

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