第9話 パワハラ保険
パワハラ保険というのが中小企業に売れているそうな。
パワハラ防止法が中小企業にも適用されるようになったからなんだそうだ。
僕が働いていた頃の大半の期間(終わりの5年くらいを除いて)はパワハラ真っ盛りだった。パワハラだらけ。世の中変わりますな。
けど保険商品が売れるってことはパワハラは無くならないということの裏返しなんだろう。
保険と同時にパワハラ防止のセミナーなんかもやるみたいだけど、パワハラやる奴はセミナーなんか受けてもやめないだろうな。
組織というのはどうしたってヒエラルヒーを組成する。権限の上下関係が積み上がっていく。権限者は自分の思うところを実行するために権限を行使する。従わないものは従わせるようにするか排除するかだ。
だから本質的にパワハラの性格を持っているものだと思っている。
それを外側のルールで抑え込めるのかな?
僕はひねくれ者だからこういう話を聞くと次のようなことを考えてしまう。
まずパワハラを受けたと主張すれば「金になる」と思う人間が出てくるんじゃないか。法律や制度ができれば必ず悪用する人間が出てくる。
権力闘争に使う人間も出てくるんじゃないか。蹴落としたいライバルや上司を訴える、あるいは誰かに訴えさせるとか。
どこまで行ってもどぶ泥の中を進むということですな。
いやはや。
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