未定
@mu_
第1話
埋葬者は、大きなスコップで、白い砂をサクサクとつつき、いくらかをすくってサラサラと砂山を作っていた。サク、サク、、、、ザラザラ、、、。私はその規則正しい音をしばらく聞いた後で、そちらに向かって歩き始めた。サラサラと砂が流れた拍子に、砂の間から手が見えた。人間の、生の手だ。少しギョッとしたが、自分はそれを知っていたような気もした。
「お疲れ様です、そいつは?」
思ったよりも快活な声が出たので、我ながら驚いた。
埋葬者は手を止めて振り返った。目元よりほかは、全身が白い布で覆われている、砂漠の服だ。
「ああ、うん。結構しぶとくて。」
埋葬者の傍らには、砂漠の井戸があった。直径が1メートルくらいで、黒っぽい石で組み上げられている。
「こんなもので大丈夫かな。そろそろ戻ろう。」
埋葬者は、白い砂に白い墓標を刺した。辺りには、いくつか同じような埋葬の跡があり、墓標はキラキラと光っていた。
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