6月28日
《晴れ時々雨》
ジョンブリアンを存続させる方法を考えていたら一睡もできなかった。折角少年は眠れるようになってきたというのに……。
方法とは言っても、一つしかない。誰かとリードエンゲージを結ぶ。昨日からわかりきっているけれど、その「誰か」が問題だ。嫌われものの船長と、誰が誓いを交わしてくれるというんだ。
今日も少年は海に飛び込んだ。ぼくも追いかけた。ふと、なんだか全部投げ出したくなってしまった。このまま沈んでしまっても、喜ばれこそすれ、悲しむ人なんていないんじゃないかな。
水温は、多分少し冷たい。でもなにも感じなかった。母の羊水ってこんな感じなのかも。眩しい水色の彼がどうなっているかなんて考えられなくて、目を閉じてしまった。その時、手のひらが熱い何かに包まれた気がした。
結局、ぼくらはサンディに助けられ、怒られ、呆れられた。くすんだ金髪をかきあげて「次はない」と言われ、自己嫌悪で消えたくなったけれど、ぼくの右手を握ったまま気を失っている少年を見て、頭を振った。泣いてる場合じゃない。
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