6月18日
《雨》
海図室にて、サンディと航海士ナハト、それに操舵手ミシェルが集まっていた。次に停泊する島を決めていたようだ。また、ぼく抜きで。
耐えきれず部屋に乗り込んだが、「もう終わるから」とナハトに追い出されてしまった。ぼくがいたらダメなのか。そう聞くと彼は昏い目を細めて、ただ首を小さく横に振った。それが何を意味するのか、今のぼくにはわからない。
「船長じゃなかったらよかったのにな」閉められたドアの向こうから、ミシェルの声が聞こえた。まだ、全然認められていないみたい。
この船には、ぼく以外に9人乗っている。すれ違うたびに楽しげに言葉を交わしたり肩を叩いたり、仲良く過ごしている。友人より家族に近い関係だ。なのに、そこにぼくだけが入れない。
話しかけても距離を取られ、疎まれる。誰もぼくの名前を呼んでくれない。部屋は広いのに、こんなにも窮屈だ。
パロット船長。なんでぼくを選んだの。
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