年末テレビ特番・ジョッキー座談会! 今年は初ゲストもいるよスペシャル! 中編

 まずは昨年末のホープフルステークスと二月唯一のフェブラリーステークスを振り返りましょう!


『強い強い! 内埒から向かい風を切り裂いてこの強さどうだオウカショート! 文句なし! 次代の強さを冬の中山で見せつけてゴールイン! 今年最後のG1であるホープフルステークスを制したのはオウカショートだァ!』


『フィリーズオンアス! 四つ脚で砂を打ち出し独走だ! 引退するとは思えない力強い走り! 逃げ切るか! 逃げ切るのか! フィリーズオンアス!! マイル1600を見事逃げ切ったァ! 漢幸永! 天に拳を掲げて渾身のガッツポーズ!』


吉:佐島さんの初G1にして最後のG1だったね。ホープフルは。


館岡:サジも今年で引退だもんなぁ。


幸永:アナタ方で平均狂ってますけど四十五歳って騎手の中でも高齢ですからね。


沼付:(爆笑)


ロメ:(爆笑)


足立:佐島さんは家業を継がれるらしいですね。


館岡:親父さんが身体壊してから乗り調教も絞ってたしな。今年の十一月に亡くなってからお袋さんが店を一人で回して大変そうだし、亡くなられたのが引退のキッカケの一つではあるんだろうな。


吉:親父さんは凱旋門賞に乗った息子見たかったみたいですけどね。


ロメ:俺じゃあ役者不足だからショートを頼むって頭下げられましたよ。真面目な方です。


足立:鈴鹿オーナーから佐島さん海外無理らしいから乗らない? って声かけられたときは何言ってんだこいつって思いました。


沼付:(爆笑)


幸永:(爆笑)


大将:鈴鹿さんは変わりませんねぇ。


足立:むしろ天然が悪化してますよ。


 それは同意します。あっ、ぼやいちゃった。カットしといてください。

 お話はフェブラリーステークスに移ります。


ロメ:幸永さんの大逃げには驚きましたね。フィリーズオンアスは逃げ馬ですけど大きく離す乗り方はしてませんでしたから。


幸永:あれ吉さんの入れ知恵です。


吉:私がそそのかしたのだ。


館岡:自分が乗らねぇからって好き勝手しやがって。(笑)


沼付:リードキーパーに乗ってましたけど乾いた砂であんな速度良く出せるなって思ってましたよ。


幸永:蹄にちょっと砂を掻きやすいように加工がしてあってですね。オーナーさんと相談して海老原さんが特注したって言ってました。


吉:へぇ……。よくやるねぇ。


ロメ:海老原さん、凱旋門賞で同じ事して失敗したんですけどね。


館岡:(爆笑)


足立:羅田先生が「アイツ……」って言って帽子くしゃくしゃにしてたのそれが原因ですか……。


幸永:羅田さんが怒ったの!? 菩薩みたいな人なのに!?


沼付:親友だからこその怒りってのもあるんじゃないですか?


 凱旋門賞の裏話も聞けたところで、お次は高松宮記念から宝塚記念までを一気に振り返ります! 見逃しちゃ駄目ですよ~。


『さあさあ最終直線! 電撃六ハロンを制すのは誰か! リビドーグラッチェ! メキシカンラブ! 二頭ならんで横並び! 残り200でどちらが!? いや違う後方から一頭跳んできた! クラモネマーニョ! エンジンが違う! リビドーも! メキシカンも! 二馬身! 一馬身! 半馬身! 並んだ抜いた! ゴールイン! クラモネマーニョ最後方からのごぼう抜き! 役者が違ったァ!』


『アクリームアルター! ナモトダービー! 一歩遅れてテムタバラード! 去年のダービーを思い出す三頭だ! 阪神2000の最終直線地獄の上り坂を駆け上がる! ナモトダービー少し足が鈍ったか!? アクリームアルターが半馬身の余裕を持ったまま残り100! 鞭が飛ぶ鞭が飛ぶ! アクリームアルターが差をつけたままゴール! 二着はテムタバラード! 足の鈍ったナモトダービーは三着となりました!』


『さぁ、最終直線474メートルの勝負所! 駆ける駆ける先頭はノンバイプレイヤー! やる気を出した彼女に操作は要らぬ! 跳ねる跳ぶ見事なスプリント! その二馬身後ろには阪神JF優勝馬のオウカセカンド! かつて獲ったこのコースもノンバイプレイヤー相手には厳しいか! そのすぐ横にはエステルパラッサ! エステルパラッサも頑張っているが!? おお!? 体当たり! これはマズい! セカンドがよろけて足立が落馬だ! これはマズい落ち方をした! 審議ランプが点灯だ! 一着はノンバイプレイヤー! 二着にはエステルパラッサが入着しましたが審議の対象です!』


『先頭はドゥスタリオン、吉武ドゥスタリオン先頭だ! 叩いた進んだ先頭だ! 他馬を全て置き去りに! ロメールの白い帽子が上がってくる! 三番手争いに集中だ! だが抜けた! 吉武ドゥスタリオンクラシック制覇ァ! ドゥスタリオンまず一冠!!』


『春の盾の奪い合いは最終直線へ! メグロユナイトが三馬身つけて先頭だ! 加速する加速する! 下り坂でまだ加速! 400メートルを切って有り余るスタミナ! これが目黒の秘蔵っ子! 変わらない! 三馬身差は変わらない! メグロユナイト堂々のゴールイン! これがメグロの真髄だァ!』


『三歳マイラーの頂点は誰か! 並んだ並んだ横並び! 地獄の登り坂を駆け上がり! アクリームマーズが一歩出た! ダイモンショウとフラワーリードも追いかける! 順番は変わらない! アクリームマーズ押し切るか! 押し切るか! 押し切った! NHKマイルを獲ったのはアクリームマーズだァ!』


『ソメイヨシノが逃げ切るか! レースは最終直線へ! 二番手にはグルーヴブレイブ! 桜花賞馬とオークス馬の一騎打ち! お互いが昨年のクラシックの借りを返せるか! ソメイヨシノが半馬身リード! グルーヴブレイブ苦しいか! 懸命に追いかけるが! ソメイヨシノが逃げ切るか! ソメイヨシノ逃げ切ってゴールイン! 桜花賞より負け続きでしたが見事にヴィクトリアマイルでヴィクトリー!』


『グルーヴブラッド悠々と最終コーナーを回り独走だ! これが名牝の血統か! 全姉のグルーヴブレイブと同じオークスの栄冠を悠然とした走りで獲りに行く! 後ろには六馬身これは決まった! 姉妹で連覇! 姉妹で連覇!! 姉と同じ鞍上で! 見事に逃げ切ったァ! 樫の栄誉はグルーヴブラッドの手に渡ったァ!』


『ドゥスタリオンやはり長すぎたかズルズルと後方に流れていく! 先頭は再びシンエイセンコウに! さぁここが叩きどころ! デニーロ必死の鞭振るい! 後続のオーディンスフィアが詰め寄っている! 意地を見せるかシンエイセンコウ! デニーロ叫ぶ! 大口を開けて超前傾姿勢! オーディンスフィア差し切れるか! 差し切れるか!? 並んでゴールイン! 写真判定だァ! ダービーの栄誉はどちらの手に!?』


『外からメテオロケット上がってくるが、さぁ残り200を通過! 今度はオシデンシャルエクスプレスか! 外からメテオロケットだ! メテオロケット捕らえた! メテオロケット先頭! オシデンシャルエクスプレス二番手! メテオロケット世界へ飛び立つか! メテオロケット先頭ゴールイン!』


『外から黄色い帽子タケシバグレイトが上がってきた! 外からノットリカバリー詰めてくる! 第四コーナーを回った! 先頭はエクセレルウィーク! 吉の右鞭が飛んだ! もう言葉はいらないのか! タケシバグレイトとエクセレルウィークの一騎打ちだ! タケシバグレイト躱した! タケシバグレイト躱した!! エクセレルウィーク負けるのか! タケシバグレイト先頭だ! 館岡だ! やっぱり怖かった館岡だ! タケシバグレイトが勝ったァ! そして二着はエクセレルウィーク!』


沼付:吉さん全部乗ってる。(笑)


吉:ありがたいことだよ。


大将:皆さんから見て印象的なレースは……。失礼しました。


足立:いいですよ、気を使わなくて。今年の前半の印象って言ったら桜花賞でしょう。


館岡:業界人ブチぎれてたからな。


ロメ:武《たける》さん怖くて近寄れなかったです。


沼付:十勝山張り倒した時はよくやってくれましたって言いそうになりましたけどね。


吉:こらこら。まぁ、あの時は完全に頭に血が上ってましたね。ノンバイプレイヤーの勝利を汚されたのもそうですし、何よりオウカセカンドの未来を奪ったアイツが憎くてしょうがなかった。


足立:セカンドが加速する前にぶつけられたので生きてますけど、トップスピードだったら死んでたので私は彼を許すつもりはないですよ。


幸永:当たり前だよ。というより君と鈴鹿オーナーだけは許しちゃいけない。今騎手を辞めて頑張ってる彼が滑稽になってしまうからね。

 何十年も経って心から許せるようになったら声をかけてあげなさい。


足立:そうですね。そうします。


館岡:幸永先生のありがたいお言葉を貰ったところで次点の注目レースは?


吉:メテオロケットの安田ですかね。大雨の中でレコード近い記録を出されたらどうしようもないですよ。


ロメ:彼は大雨の中だと無敵ですね。


沼付:良場でも最強なんですけどね。(笑)


館岡:ロメの印象に残ったレースは?


ロメ:それはダービーですよ。ドゥスタリオンが完璧な騎乗をして完璧に垂れてきましたからね。(笑)


吉:アレ凄かったよ。2200まで辿り着いた瞬間に一気に空気が抜けたタイヤみたいに勢いが萎れたからね。


ロメ:おかげで鞭入れるタイミング失敗しました。


館岡:デニーにはラッキーだったってこったな。兼はどうだ?


沼付:ぶっちゃけ菊花が強烈すぎて覚えてないです。


足立:(爆笑)


ロメ:(爆笑)


幸永:アレはねぇ……。


館岡:菊花賞の話は後にしてだ。ユキは?


幸永:大阪杯ですかね。ナモトダービー以外がターフを去ったことを含めて。


吉:あのレースで六頭引退したからね……。


幸永:調教師になるのが怖くなるレースでしたよ。


館岡:足立は? 休養してたお前に聞くのは野暮かもしれんが。


足立:宝塚ですかね。タケシバグレイトが故障したのも含めて本当に対照的な一騎打ちでした。


吉:エクセレは本当に頑丈だからね……。有馬に出走するならブレイブとどっちに乗るかで悩んでたよ。


館岡:地獄のジャパンカップで疲弊しまくってて怪我の功名ってところか。


吉:まったくです。館岡さんは?


館岡:そら天皇賞だわ。嫁にくるっと回ってくるって大口叩いたからな。


沼付:それで勝っちゃうんだもんなぁ。


 五爺は伊達じゃないってことですね! それではG1戦線後半の映像をお届けします!


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