純情、時々不純。

towa

純情、時々不純。

 私には愛してる彼がいた。私に優しく、笑顔も可愛い彼だった。でも突然、その愛は終わりを迎える。はずだった。

 彼が浮気をしていた。嘘だと願っていたがそれを認めた彼はばつが悪そうな顔で

「お前の愛は重い、気持ちが悪かった。」

 そう言われた私の心は壊れかけていた。何としてでも彼を手元に置きたく、私が選んだ選択肢は

「体だけでもいいから私の隣にいてほしい。」

 そう言うしか無かった。と言うよりも本能的に彼を求めてしまった。

 そこから始まる、周りからしては狂った生活。彼の都合のいい時間に合わせるよう書かれた旨のLINEだけが私のスマホの通知を埋める。そしてホテルに向かうと愛してる彼がそこにいる。もちろん、ホテル代やゴム代は全て私が払い、私が彼を迎え入れるような形でセックスをしていた。

 ただそこにあったのは愛のないセックス。いや、私だけの一方通行の愛しか存在しないセックスだった。

 私は彼に何をしても良かった。望まれればゴム無しでした。中出しも許した。ピルも飲むくらい彼と一緒の時間が過ごしたかった。副作用や生理よりもとにかく彼が欲しかった。そして時が過ぎればセフレという関係に変わってしまった。ついには彼から手を出されることもあった。でもそれは私に対しての愛だと思い、一生懸命受け止めた。

 歪んだ愛のまま私は彼とのセフレの関係を一年以上続けた。

 いつものように彼からの連絡を待つといつもと違う通知が私のスマホを鳴らす。誰からかは知らない非通知の電話だった。

 何かと恐れながらその番号に電話をかける。出たのは彼の今の彼女だそうだ。憎くはあったが話を聞いてみると

「元カノさんですよね?彼、私たちの他に3股してたみたいで、、」

 この一言で今までの彼への愛が消えた気がする。私の愛は何だったのか。意識を保つことで私は精一杯だった。そして自然と電話を切ってしまった。

 また私は彼と連絡を取る。お金を持って、ゴムも持って、ピルも飲んで、いつものように彼に会いに行く、はずだった。

 カバンの中には無意識に入れてしまったのだろう。輝く鋭いものが仕舞われている。

 そして彼と出会い、ホテルの部屋に入り彼がシャワーから出てくるところを狙って。

鋭いものが彼の胸に突き刺さった。

そして私も彼と同じように

鋭いものを胸に突き刺す。


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