第31話 ボンボンをボコボコにする(改)
あの公爵家のボンボンが決闘を挑んできてから1週間が経ち、入学式の日になったのだが、俺の心はどんよりしていた。
もうあの貴族のボンボンの名前忘れたからボンボンでいいや。
そのボンボンとの決闘も今日なのだ。
なんか『おい【不適合者】!決闘は入学式が終わったあとだからね!覚悟しといてよ!それじゃあ僕の未来の妻達、また会おう!!』って一方的に決められた。
ほんとは行かないでもいい気がするけど、行かなかったら無理矢理サーシャ達を婚約者にしそうだから受けることにした。
まぁ受けるからには俺の相棒達を持っていってコテンパンにしてやるけど。
いいよね、俺より身分は上だけど、王族のサーシャと俺のメイドのアナに嫌な思いをさせたし、俺に喧嘩売ってきたからボッコボコにしても。
俺はボンボンを完膚なきまでにボコボコにすることを決め、サーシャ達と共に学園に向かう。
学園に着くと沢山の新入生がいた。
「おおー沢山いるなぁ」
「まぁみんな新入生だからね。それにこの学園は人が多いし」
ええ~こんなにいるのか……。
元ボッチには辛いなぁ……。
俺のテンションが下がっていると、例のボンボンを見つけてしまった。
うわっ……1番会いたくない奴が来やがったんだけど。
今はただでさえテンション下がってるのにくるなよ…………ッ!
俺はそう願うが最悪なことに近づいてきた。
「やあ!サーシャ、アナ!今日はいよいよ入学式だね!これからよろしくね!」
こいつ……俺は完全に無視か……。
「えっと……おはようファイア君……」
「おはようございますバーン・ファイア様」
「2人ともこれから長い付き合いになるんだからバーンでいいよ!」
俺の目の前で俺の婚約者とメイドを口説くとは……もうぶっ殺していいかな?
俺は怒りを抑えながらボンボンに話しかける。
「お、おはよう、バーン・ファイア君?目の前で俺の婚約者とメイドを口説かないでもらえるかな?」
「ああ、【不適合者】か。僕に話しかけないでくれるかな?僕は麗しい僕の婚約者達と話しているんだ」
やっぱりこいつぶっ殺していいよなぁ?
俺が我慢の限界が来そうになり、思わず【身体強化】を発動させようとすると、アナとサーシャが必死に止めようとする。
「アルト!ダメだよ!もっと大変なことになっちゃう!」
「そうですアルト様!それにここで騒ぎを起こしたらルナ様とジーク様に迷惑がかかってしまいます!」
ぐっ……それはダメだ……。
俺はなんとか怒りを抑えるが、ボンボンがとどめを刺した。
「本当に迷惑だな。早く僕とサーシャ達から離れるんだ!君みたいな【不適合者】はサーシャ達に近づく権利すらないんだよ!……さぁサーシャ、アナ、僕と一緒に入学式の会場に行こう」
そう言ってサーシャとアナの手を掴んで無理やり連れて行こうとする。
「や、やめてくださいファイア君!」
「おやめください!サーシャ様が嫌がっています!それに私とサーシャ様は、アルト様のメイドと婚約者でありますので手を離していただけないでしょうか?」
アナとサーシャは断るが、それを聞かずに引っ張っていく。
しかも【身体強化】を使ってまで引っ張っているため、アナとサーシャが手を離そうとしても離せない。
アナとサーシャは目を潤ませながら俺を見る。
その表情を見た瞬間、『プツンッ』と俺の中で何かが切れる。
俺はその時、前世も合わせた人生の中で初めて本気で殺意が湧いた。
俺は【身体強化】を限界の1800%まで発動させ、《魔銃エクスプロード改》と《魔銃ペネトレーション改》を取り出し制限を外して【魔力吸収】を発動。
俺の周りに可視化された魔力が巻き起こる。
それを見た新入生たちが騒ぎ出す。
俺は周りのことは気にせずボンボンに話しかける。
「…………おい、やめろ」
「だからね、話しかけないでくれと言っているだろう?僕は今忙しいんだ」
「忙しい……?俺の婚約者とメイドを無理矢理連れて行こうとしていることがか?」
俺はまだ状況のわかっていないボンボンに近づき、【加速】を付与してアナとサーシャを掴んでいた手を引き離し、ボンボンとの間に割って入る。
「大丈夫だったか?」
俺が2人にそう聞くと、2人は泣きながら俺に抱きついてきた。
俺は生まれてこの方アナが泣いてるところを初めて見たぞ。
俺は一旦【身体強化】などを解除して2人を慰める。
このボンボン、マジでやりやがったな……ッ!
あれほど俺が我慢してやったと言うのに、それをいいことに調子に乗りやがって。
俺は2人が泣き止んだのを確認して、一旦近くに隠れて物凄い殺気を放っていたサーシャの護衛の元に移動する。
「すいません、俺がいながら泣かせてしまいました」
「いえ、あいつはアルト様よりも家柄が上ですから仕方ありません」
護衛さんはそう言ってくれるが殺気が隠せていない。
「いえ、今日ちょうど決闘を申し込まれていたので今すぐ始めてもいいでしょうか?」
「……多分大丈夫でしょう。何せ王女を泣かせたのですから」
「ありがとうございます」
俺は許可を得たため、護衛さんに2人を預けて再び殺気と魔力を解放する。
すると流石に危険だと思ったのかボンボンの顔が歪み叫びだす。
「何をしている!僕は公爵家だぞ!それに決闘は入学式の後のはずだ!」
ボンボンがそんなことを抜かすので俺は提案する。
「なら今からやろう」
俺がそう言うとボンボンは驚いた顔になるがすぐにニヤニヤした顔になる。
「いいだろう。これでサーシャもアナも僕のものだ!」
そう言いながら決闘のくせに、急に攻撃を仕掛けてきた。
ふむ……名前と一緒で火魔法が得意なのか。
まぁそんなこと関係ないんだかな。
俺は極限まで強化した肉体で魔法に突っ込む。
「なにっ!?」
どうやらボンボンは驚いているようだが、気にせず突っ込んでいき、一瞬でボンボンの懐に入る。
「おい、ボンボン。お前は調子に乗りすぎた。だから俺は容赦しない」
俺はボンボンの鳩尾に全力のパンチを決める。
「ぐぼっはっ!?」
ボンボンが後ろに吹っ飛ぶが【加速】で追いつき地面に叩きつけ、そのまま馬乗りになり、顔面を殴りまくる。
だが相手も【身体強化】をしているので死んではいないようだ。
ならもっとするか。
俺はボンボンから降りて、まず右足を潰す。
骨が『グシャ!』と言う不快な音を立てて潰れる。
「ぎゃああああああああ!!??」
ボンボンが泣き叫んでいるが、そのまま左足、右手、左手と順番に潰していく。
その度に周りにいた生徒達はあまりの不快さに耳を塞ぐ。
「や"め"でぐれ"!!い"だい"!!」
手足を折ると、顔に涙と鼻水とヨダレがついていて物凄い醜い顔になっていた。
最後に男の象徴を踏み潰す。
「ぎゃあああ嗚呼ああ嗚呼ああ!!!!」
これまでで1番の叫び声を出し気絶するが、無理やり叩き起こしボンボンの髪を掴んで持ち上げると。
「おい、これで懲りたら二度と俺たちに話しかけるな、と言うか姿も見せるな。次にお前の姿を見たらその時は……………………殺す……ッ!!」
「は"い"!わ"がり"ま"じだ!」
そう言って気絶した。
ふぅ……少しスッキリしたな……。
俺は護衛さんの方を見ると、俺に向かって満面の笑みでサムズアップしていた。
そのあとすぐに学園の教師たちがきてボンボンの回復と、俺への説教が始まるが、サーシャの護衛さんが事情を説明してくれたおかげですぐに解放されることに。
ちなみにボンボンは、行動があまりにもダメだと言うことで、入学式前なのに退学となった。
そしてその親もバラン国王に物凄い怒られて、公爵家を取り上げられ、国外追放の刑に罰せられたらしい。
俺はバラン国王に大変誉められ、ガーディアン家が公爵となった。
まぁこれで同じことは起きないだろう。
みんな見てたし。
まぁその代償として今世でも友達できそうにないけど……。
俺は誰もいないところで落ち込んだ。
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どうだったでしょうか?
自分で書いてて「このボンボン早くボコボコにされないかな……?」と思っていました。
次回から学園生活です!
是非お楽しみに!
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