第4話 魔法属性検査に行くみたい①
俺がこの世界に転生して3年経ち、つい先日3歳になったばっかりだ。
2年前に【魔力視】をしていることがバレた俺は結局使えると話すことになってしまい、色々と聞かれることとなった。
ほんとは言い逃れることが出来なかっただけだけど。
いや頑張って誤魔化そうとしたんだよ?
でも俺の体赤ちゃんだから顔に出まくっていたらしい。
それと、緊張しすぎて漏らしてしまいました……。
これは完全なる黒歴史になった。
だが、流石にどうやってと聞かれた時は曖昧に返すことが出来た。
転生したことは絶対に話さないと決めたため、なんとなくやったら成功したとだけ言い何とか追求を逃れる事に成功。
というか『もう詮索しないであげる』って感じだった。
これからは顔の筋肉を鍛えてポーカーフェイスを習得しなければ。
しかし、話した事によって隠れて練習する必要もなくなった事で大分上達したと思う。
【魔力視】が使えるようになって約2年半経った俺の魔力量は、元々そこまで多くなかったため、生まれたときに比べ、100倍位になっていた。
なのに今もアナスタシアに魔力量で勝ててない。
いやもうアナスタシアがチートやん。
一生勝てる気がしない……。
俺にもそのくらいのスペックがあれば今頃とっくにアナスタシア超えれていたはずなのに……。
閑話休題。
魔力操作も今では一瞬で全身に魔力を流せるようになり、更にその状態を保ったまま【魔力視】が使えるまでに成長した。
そしてこの2年位で1番嬉しかったのは、まだ拙いがやっと言葉が話せたのだ。
そのおかげでとうとう俺の両親の年齢が聞けるようになったので聞いてみると、母さんは今年で21歳、父さんは22歳になったらしい。
そう考えると、俺を産んだのって母さんが18歳で父さんが19歳の時か。
いや早っ!まだ成人してないじゃん!
と前世の知識を持っている俺からしてみれば大分早いが、この世界では当たり前に魔獣がいたり戦争があったりして、若くして死んでしまう人が多いため、成人も15歳だし子供を産むのも早いらしい。
なんか異世界って物騒な世界だよなぁ。
まぁそうじゃないと魔法なんていらないか。
魔法はオタクのロマンだから絶対必要だ。
こう思うと、日本がどれだけ平和だったかがよく分かる……。
それに成長したと言えば、今まで歩くことができていなかったが、やっと歩ける様になり、少しだけなら走れるようにまでなっている。
更に、俺は遂に自分の顔を見ることが出来た。
始めて見たときは、自分があまりにもイケメンになりすぎていて、思わず発狂してしまい、その声は、ガーディアン家にいるすべての人が何事かと集合してしまうほどうるさかったらしい。
しかもその時の顔は、満面の笑みで泣きながら声を上げて笑っていたとアナスタシアが言っていた。
泣きながら声上げて笑うって側から見たらめっちゃ不気味だな……。
正直俺がそんな人を見かけたら、きっと
そう思ったらこの家の皆んなってすごいと思う。
俺への接し方以前と全く変わってないもん。
しかし、まさか俺があんなにイケメンだったとは……これは俺のリア充計画も案外簡単に達成できそうだな。
それに、髪の色が黒色なのに目が碧眼って…………なんか俺本当に異世界に来たんだなって感じた瞬間だった。
黒髪碧眼の人間なんて俺が知る限りでは見たことも聞いたこともない。
そんな事を考え、今日もいつものように魔力操作をしながらランニングしているとアナスタシアが呼びに来たので魔力操作をしながら走るのをやめる。
アナスタシアも、この2年で、10歳になり身長も伸び、段々と大人の体に変化していた。
「アルト様おはようございます。今日もかわい……んんっ、カッコイイですね。ルナアーラ様とジーク様がお呼びになっています」
「わかったー! ありがとう、あな! あなもかわいいね!」
「ありがとうございます。(えへへ……アルくんに褒められた……! それにまだ完璧に話せてないところがやっぱりかわいい!)」
アナがなんかくねくねしてるんだけど……ははーん、さては俺に褒められて照れてんだな、可愛らしい奴め。
まぁ、自意識過剰かもしれんが……。
……自意識過剰だなうん。
もし違ったら恥ずかしくて死んでしまうし。
実際には当たらずとも遠からずだが。
間違えていた時が恥ずかしいので顔に出さないようにしようと真顔を意識するが、抑えることが出来ずニマニマしながら眺めていると。
「はっ、そうでした、アルト様、ルナアーラ様とジーク様のところに行きますよ」
照れ?から脱出したアナスタシアが俺の手を引きながら、急いで母さんと父さんがいる部屋へと駆け出す。
ちなみにアナスタシアの手は大変柔らかくて素敵でした。
◆◆◆
「ルナアーラ様、ジーク様。アルト様をお連れしました」
「うむ、入ってこい」
入室の許可をもらい、俺とアナが入る。
俺ってまだ父さんの仕事部屋に入った事なかったな。
そんなことを思いながら部屋を見渡していると、部屋の中には既に母さんもついており、優雅に紅茶を飲んでいた。
「さて、全員あつまったことだ、アルト、最近はどうだ?」
「さいきんはあなとおにごっこしてあそんだりしてます、ちちうえ!」
「そうか……アルト、1つ聞いてもいいか?お前、俺たちになにか隠してないか?」
「……っ!」
急に真剣な顔となったジークが言ったことを聞いて、俺は突然体の中心が冷やされるような感覚に陥る。
隠し事だと……!
転生者の事を言っているのか?
それだけはバレない様にしなければ……!
「ちちうえ、かくしごととはどういうことでしょうか?」
「いや、何にもないなら良いんだ」
「わかりました!」
あぶねー、模索されなくてよかったー!
まぁいくら模索されてもこれだけは言えないからな。
再び決意を固めていると、父さんが聞いてきた。
「アルト、今年で何歳だ?」
「3さいです!」
「じゃあ、3歳になったら何をしなければいけないと思う?」
「まりょくぞくせいけんさ!」
「そうだよく勉強しているな」
「ありがとうございます!」
そうだよ、俺もとうとう魔力属性検査受けれるじゃないか!
やった、やっと魔法が使える様になるし、スキルも貰えるから楽しみだな。
というか今誰か猫被ってると思ったろ。
そうだよ猫被ってるよ!
なんとしても今世は友達と彼女が欲しいんだよ!!
頼むから何も言わないでくれ……。
「アルト、魔力属性検査に明日行く事になった。だから今日はこうして部屋に呼んだと言うわけだ。しっかり準備しとけよ!」
「はい!」
明日か……。
めっちゃ緊張するな。
それにもし不適合者の象徴である無属性しか適性なかったらどうしよう。
ラノベであるように追放とかされるのだろうか。
そんな不安が顔に出ていたのか父さんが俺に言ってくれる。
「俺もルナもアルトが無属性だろうが大好きだからな! そんなに緊張するなよ!」
「ええ、たとえ無属性でも魔力沢山あるし何とかなるわ!」
「アルト様は別に戦えなくてもいいのです!私がお世話しますから!」
父さんに続いて、母さんやアナスタシア改めアナまで俺を励ましてくれる。
俺っていい家に転生したんだなぁ……そうだよな、みんなが俺を見限るわけないよな!
だってこんなにイケメンだし、必死に鍛錬もしたし。
魔力はアナよりないけどこの年では世界最高峰に多いはず。
しかし俺は家族の温かい言葉に、異世界に来て本当によかったなと思った。
よし、それじゃあ明日の属性検査に向けて色々と準備していきますかね!
俺は準備をするため、アナを連れて自室に戻る。
もう、不安な気持ちはなかった。
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どもども、作者のあおぞらです。
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