歳をとるということ

人生の折り返し点を過ぎ

父母も看取った今

歳をとるということを

しみじみと考えることが多くなった

人は誰でも老いていく

若者と呼ばれる時代には

不思議とそんなこと

考えもしないものだけど


父母がまだ

生きているうちは

歳を重ねてもまだ

誰かの子どもでいられた

それがどれだけ幸せなことだったかと

改めて思うのだ

行き違いも確執もあった

けれど今になって考える


我が身がその立場になって

はじめてわかること

若さの傲慢を思い知る

少しずつ病んでくる身体

知りびとが彼岸に旅立っていく

その不安と寂しさ


人生の夕暮れが深くなるごとに

亡き人へ、もっともっとできたことが

あったのではと切なさが募る


歳をとるということの意味を

わたしはこんなふうに

やっと少しだけ

わかってきたのかもしれない

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