墨絵の空

闇と呼ばれるなかにも

様々な彩（いろ）が潜んでいるのだなと

暮れなずむ空を見上げながら思う


青に微かな茜を含んだ

薄墨色の雲が静かに流れて

その明度を落としていく


墨絵のような風景は

強く主張するわけではないのに

不思議に、どこか優しい



新月の夜が近づいている


細く細く痩せた

月も時には

姿を消して休みたかろう

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