マザーグースみたいな

無邪気で残酷

奇妙な世界


お星さま、足を滑らせ

空から落っこちて

海の底でヒトデになった

もう光らなくて

誰からも願いをかけられないけど

願いが重すぎていたから

それはそれで幸せ


お月さま、まん丸から

少しずつ痩せていく

新月の夜には密かに

クラゲに混じってユラユラ

何も照らさずに蒼闇あおぐらい世界を

ただ無心に漂いつづける

それはそれで幸せ


優しくて残酷

歪んだ世界


見えているものだけが

真実ほんとうなわけじゃなくて

それはいくつもあるうちのひとつ



あかりのない部屋に掛かっていた

微笑みの仮面が

さっき落ちて

粉々に砕けた


誰にも気づかれずに

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る