第11話

 途端に旭が勢いよく起き上がり、僕の視界が反転する。

 驚いた僕を、余裕のない顔をした旭が覗き込んでいた。


「ど、どうしたん?」

「乃亜っ、可愛いいんだけど。なあ、この先進めてもいいか?」

「先?あ…うん、ええよ」

「優しくする…。辛かったら言って?」


 僕の顔中にキスを落としながら、旭の指が僕の尻の孔に触れる。

 ピクンと震えた僕から一旦身体を離すと、旭がベッドの下の引き出しからボトルを取り出す。蓋を開けて掌にトロリとした物を落とすと、指ですくって尻の孔に塗りこみ始めた。


「あ…はっ、ん…」

「痛い?」

「だ、いじょぶ…」

「乃亜、好きだよ」


 そう言うと同時に、指が中に入ってくる。


「んっ!」


 僕の太ももの裏を押し上げて、ローションを増やしながら旭が指を出し入れする。

 孔の入口をぐにぐにと広げたり、奥の方で指をパラパラと動かしたりする。気がつくと指が三本に増えていたみたいで、僕の中を解しながらある箇所を強く押した。


「あっ!や…」


 そこを押された瞬間、電気のような痺れが走り僕は腰を跳ねさせた。


「あ、良かった。ここ、感じる所みたいだよ?」


 ニコリと微笑む旭の顔が、目に溜まった涙でぼやけて見える。

 何度か感じるという場所を強く押されて、僕は息も絶え絶えに旭に手を伸ばした。

 旭は優しく笑ってゆっくりと指を抜いた。そして僕に被さり、唇を食んで口内をぐるりと舐める。伸ばした僕の舌に舌を絡めて吸い上げ、唇を触れ合わせたまま「乃亜…」と掠れた声を出した。

 旭が身体を起こし、僕の膝裏を抱える。僕の後孔に熱いモノがあてがわれて、ゆっくりと入ってくる。


「あ…、旭…旭…」

「乃亜、好きだ、愛してるよ」


 旭の大きな手が僕の頬を撫で下ろし、乳首を強く摘んだ。


「ああっ、あ…んっ」


 僕が顎を仰け反らせた瞬間、硬いモノが一気に奥まで突き刺さる。少し引きつる痛みがあるものの、内壁を擦る刺激に、僕は腰を震わせて恍惚となった。


「乃亜…マジで可愛い…」


 旭が動きを止めて、僕を抱きしめて耳元で囁く。耳にかかる息にも感じて、僕は震える手で旭を抱きしめ返した。


「乃亜、乃亜…」

「んっ、はあっ、あ…っ」


 何度も名前を呼びながら、旭が徐々に腰を動かし始める。もうすでに痛みはなく快感だけを拾って、僕は甘い声を上げ続けた。

 旭の腰に足を絡めると、旭の動きに合わせて激しく身体を揺らす。

 腰の奥に響く何とも言えない気持ち良さと、旭の硬い胸に僕の立ち上がった乳首が擦れて一気に高まる。

 旭が、僕のモノを握りしめて扱き出した。


「旭っ!も…無理っ。いっちゃっ、ああっ!」


 僕は旭に強くしがみつくと、二人の腹の間に白濁を飛ばした。

 直後に強く腰を突き入れて、旭が呻き声を上げて腰を震わせる。


「はあっ、はあっ、乃亜…俺の乃亜…」

「…ん、旭、好き…」


 お互いの身体の震えが収まるまで、しばらくの間、抱きしめ合っていた。


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