第2話

「いったい、みんなどうしたんです、こんなところに集まって」


 母上は怪訝そうに聞いた。


「裏口でみんなが話しているものだから出てきたのさ、見てくれが悪いからやめとくれ」


 お祖母様が言った。


「いったい、みんな、どうしたの」


 私は13歳、ただ上には兄上がおり、店をもう手伝い始めている。母上は、親元を離れてここで住み込みで暮らしている太助もきよも、同じように大事に扱っていた。


「へえ、実は、台所で夜中、物音がいたしまして」

「物音?」


 母上は、怪訝そうな顔をしていたが、はっ、と気がついた様子で、台所へ入っていった。そしてすぐ戻ってきた。


 そして、真っ直ぐにきよを向いた。


「きよさん、あなた、夜中、台所には入ってないけれど、私に言わなければならないことはありませんか」


 きよはモジモジしていたが


「いえ、何も…」


 と言ったまま、黙り込んだ。


「太助も、私に隠していることはありませんか」


 今度は、太助が黙りこむ番だった。


「へえ…、何も…、隠しちゃございません…」


 しかしその様子はへどもどして、何かを知っているようだった。


「二人とも、何か知っていますね。だから気になって、二人で探り合いをしていたんですね」


「探り合いなんて、とんでもねえ、誰も台所になって入っておりません」


 きよがいった。私にはなんのことか、さっぱりわからなかった。


「あの人ですね」

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