短編置き場

きゅーびー

第1話 知能を売買出来る世界


 【知能の売買とは神が定めたとされる儀式に沿って行われる】




 


 やり方は簡単で神の用意したとされる部屋の椅子に購入側と売却側が対面に座って売買したい数字を記入するだけだ。


 簡単だろう?


 お互いの椅子の肘置きの部分に数字を記入する部分があってそこへ事前に取り決めていた数字を記入するだけであっという間に知能の売買は成立。


 後はお互いの財産から自動的に増減するのでセキュリティーも万全さ。


 脅迫?


 ははははは!おかしな事を言うね君は!神の監視下でそのような不正を行えばどうなるか君にも分かるだろう?


 え?どうなるかだって?勿論天罰が下るのさ!文字通りね!


 天罰も様々だがあまりにも悪質とされた場合は死ぬらしいね!


 まぁ私がここで働きだしてからの今まででこの部屋で不正や悪事を働いている人は見た事が無いがね!


 それで君はあまり賢く無さそうな所を見るに購入側かい?


 やはりそうか!君の顔からは知性を感じないからね!


 そうかそうか!頑張ってお金を貯めたんだね!これで君も賢き者達へ仲間入りってわけだ!


 賢き者達とは何だだって?それは知能を購入した者達の呼び名みたいなものさ!特に意味などは無いさ!


 それで君はいくらぐらい購入したんだい?


 なんともまぁ思い切ったね!だがそれで正解さ!購入するのは一人につき人生で一度だけだからね!


 私も長い事ここで働いているからね、色んな人を見てきたが本当の意味で賢き者というのはそれなりの知能を購入していたものだよ。


 ん?何故そんなことが分かるかって?


 それはそうさ!知能を購入した人はそれなりに有名になるのが常だからね!ある人は学者として、またある人は社長としてかなり有名になったものばかりさ!


 知能が高いとあらゆる面で成功しやすいのは当たり前だろう?君もそう思って購入に踏み切った口なんだろう?


 おっと、君のお相手が着いたようだ。


 それじゃあ部屋の中へどうぞ。


 中に係の者が居るから詳しい事は係の者に聞いてくれ。




 ☆ ☆ ☆




 お疲れ様でした。


 気分はどうだい?


 生まれ変わった気分だろう?


 それが知能が上がった証拠だよ!


 これから君はどうするつもりなんだい?


 へー会社を作るのか、頑張って有名になってくれよ?


 そうすればまた一つ話のタネになるからね!


 ははは!それでは、もう会う事の無い様に願っているよ!


 ん?何故かって?


 はは!それはそのうち分かるさ!では!




























 おや?どこかで見た顔だね?


 あぁ、君か。


 という事は売却にきたんだね。


 やり方は分かるよね?


 じゃあ部屋の中へどうぞ。




 

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