【異能学園ロワイヤル】リセマラ1位のキャラに転生した

@piyoko_1

第1話 凸ゲーは集金ゲー


アプリをインストールし最初のガチャを引いてアプリを削除


良いキャラがガチャで当たるまでこれを繰り返す事をリセットマラソンと呼び

通称リセマラを友人と行っていた



『異能学園ロワイヤル』

軍服のような制服を着た学生達がテロリストや生徒同士で異能バトルを繰り広げるターン制RPG


事前登録は10万人を超えているが過疎アプリでもこの数字はよく達成しているため良ゲーの指標にはならない

ガチャの確率がゴミだったらすぐに廃れてしまうしアプリ自体がつまらないと売り上げも伸びない

そんな厳しいアプリ界隈だがイラストとPVが割と良かった為友達を家に呼んでかれこれ2時間程リセマラをしていた



「星5確率3%で限凸仕様かぁ...」

「最大何凸まであんの?」

「ちょっとお待ちを...えーと最大5凸」

「廃課金ゲーじゃん、凸アイテムとかは?」

「あるらしいけどイベント来ないと入手できないね」

「じゃあそのイベントの報酬次第で糞ゲーかどうか分かるな」

「そだねー...やっと虹きた」

「俺50連くらい虹見てないわ」

「あ!!氷城麗奈!!」


【氷城麗奈】

リセマラランキング1位の女キャラだ

wiki情報によると氷属性の異能で

範囲、単体火力共にトップクラスとの事


「まじ?リセマラ終わりでしょ」

「他に2、3体星5欲しいけど...えっ!?」

「どした?」

「氷城麗奈2体目...」


僕はガチャ結果画面を友人に見せた


「えっぐwそれもう最強じゃんw」

「無凸でも強いらしいけど1凸で奥義が解放されるだって」

「凸ゲーは格差えっぐいなぁ」

「まぁかなり良い結果だしリセマラ手伝うよ」

「サンキュー、俺は星5の数で勝負するか」



友人のリセマラを手伝う為にアプリを消しても良い様にデータ連携を押した


【瞬間にピリッと頭痛がした】



『なにボーっとしてるんだよ』

『おい?大丈夫か?』

『これ、ガチな奴!?救急車!!』



そこで僕の記憶は途絶えた



_________________________________________



「麗奈...生まれたか」



赤子の状態から自意識が芽生え始めた時に前世の記憶を思い出した


僕の名前がリセマラをして当てた氷城麗奈だと言えば察しがいくだろう



「オギァァァァァァァォァァァァァァ」

(人生をデータ連携するなぁぁぁ!!)



それから5年後

まさかこんな辛い日々を送る事になるとは


五家と呼ばれる5つの名家から暗殺の依頼を請け負う氷城家に女として生まれた僕



屋敷にいるシワの深い老人達が僕にネチネチと毎回小言を言ってくる



「5歳になったので午前から午後は異能鍛錬、夜は勉学に勤しんで頂きます」


「休みたい?腑抜けた事を言わないで氷城家としての自覚を持ちなさい」


「胸に刻め、この世は異能が全てだ、女は当主になれぬがお前には才能がある」




朝から晩まで稽古に作法に勉強と5歳の子供にここまで厳しいの!?

実際に厳しい英才教育受けている子達は歪まないのか...?

前世がぬるま湯の人生で育ってきた僕はノイローゼになってしまいそうだ



(もう限界だ...あと一年この生活を頑張ってみて本当に無理そうなら...うん、そう考えるともうちょっと踏ん張れる)



_________________________________________




〜1年後〜



ヒュゥゥゥ...パキッ...メキィッ...



振り返ると立派な屋敷は氷漬けにされており

氷山のようになっている



「家出じゃあぁぁぁぁぁぁ!!」



長かった銀髪を束にして氷のナイフで切り落とし頭が軽くなった事に頬が緩んだ

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