Lamento

@rurosan

第1話

レグルス「なぁ、本当になるのか……?今からでも俺と……。」


デュランダル「レグルス、止めないでくれ。ずっと憧れてたんだ、王国の騎士を……この国を守れる騎士にようやくなれたんだ。」


レグルス「分かった、それがお前の使命でもあるしな……。」


デュランダル「レグルスも旅を続けるの?」


レグルス「今はまだな、見てない場所も沢山あるんだ。」


デュランダル「そっか」



そう言ってお前は王国の騎士となり俺の前に出てこなくなった。それが彼奴の使命、目的なのだ。否定する訳にはいかない。


俺は王国を離れまた流浪の民となった。




頭痛がする……瞼が重い……

揺れ出す視界に帽子を被った女の人が見えた


「起きてぇ」


「んむ……」


体を無理矢理起こす、まだ視界がぼやけてあまりよく見えない。魔女みたいな姿をした女の人が問いかける。


「倒れてたけど大丈夫?」


「え……俺倒れてたんですか……。」


「昨日雨の降る森の中で倒れてたんだよ、慌てて自宅に連れ込んだけど大丈夫?」


「有難う御座います……身に覚えがありません……。」


俺は森で倒れてたのか……それをこの人に救われたと。何故こんな事に……


「ところで君、名前は?」


「アギトです、貴方は?」


「スピネ、魔法使いだよ。」


スピネは少し水色がかった髪をしていた


「取り敢えずご飯にします?」


「いや、悪いですよ。何処か他のところで食べます。」


「行くあてあるの?」


「ないです。」


「だったらここにいなよ、ずっと一人で寂しかったんだ。」


スピネは喜んで俺を受け入れていた、もしかしたらそういう使命なのか?


スピネはキッチンに向かい食材を取り出し始めた。


「そういえばアギト君、こんな事聞くのはタブーかもしれないけど君の使命は?」


「ごめんなさい……分からないんです。何をすればいいのかまだ何も。」


「無理ないよ、私の使命は魔女の皆を守る事なんだ。私のお婆ちゃんから貰ったの。」


「凄いですね……そんな形として……。」


この世界の皆は使命をもって産まれる、だがそれに気付けない人もいる。眠っている時に神様から言われたとか、友達から言われてそれを使命にする人もいる。

使命を果たせなかった人は形を変えたりして他の人に受け継がれる。親族や友人、生まれ変わりにその使命が引き継がれる。

それは誰かの果たせなかった愛や友情だった

皆この事を輪廻転生、火継ぎと言った。


このスピネはおばの使命を引き継いでいる。

どれだけ名誉で誇りになるだろうか。


「お待たせ、スピネ特製のスフレです。」


「こんな短時間で?」


「魔法使いなので!」


スピネは少しどやっとした顔でこちらを見た


口に運んでみると確かに美味だ。

魔法っていいな……


「アギト君も魔法使いになりませんか!」


「いや……俺はいいです、魔導書とか絶対読めないし剣とかの方が……。」



スピネは少し残念そうな顔をして切ったスフレを口に入れた。

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