自覚と無自覚

【斉藤、パフパフ同衾事件】と舞が名付けた

先程の出来事のあと、俺は部屋に帰らず

そのまま夕飯を食べに食事スペースまでやってきた。

同室の皆にどこ行ってたか聞かれたが

腹痛くてトイレ行ってたと誤魔化した。

皆、正露丸ありがとう。腹は治るけどおかけで心が痛いよ!

嘘付いた罪悪感を感じていると当たり前に

となりに座った神川さんは話し掛けてきた。




「ねぇ秋兎くん」


「何だよ舞?」


「……私かどうか分からなかったの?」


「す、すまん…いきなりだったからな…」


「まぁ、そうよね…なら、今度から目を瞑っても、耳を塞がれても私だって分かるように抱き付く回数を増やすわ」



「お、おう…」


「あと、匂いでどこにいるか分かるレベルで毎日秋兎くんにマーキングするわ」



「マーキングって何するの!?」


「抱き付いて、キスして、なでなでするわ」


「案外かわいかった!」


「…本当は二人で◯◯しないと出られない部屋ごっこしたいところよ?」



「ありがとう、譲歩してくれて!」


「ちなみに【妊娠しないと出られない部屋】にする予定よ!」



「めちゃくちゃハードだな!?」


「セッ!と変わらないわよ?」


「そうかもしれないけど!?」


俺達はいつものように会話をしていると料理が

運ばれてきたので食べ始めた。

すこし機嫌が悪かったみたいだが…

俺はちらりと斉藤さんの方を見る。


良かった…普通に生きてた。


「…同衾した女が気になる?」


「言い方気を付けような!?」


超小声とは言え何て事を言うんだ…合ってるけど


「まったく…彼女の前で同衾するとか…」


「ごめん」


「私あらゆる性癖には寛容だけど」


「お、おう」


「どうやら寝取られるの嫌いみたいだわ」


「何となく知ってた!」


「…あの時の光景を見た瞬間、悲しみと怒りしか沸かなかったわ」



「ごめんな?」


「過ぎたことはもういいわ。その分、秋兎くんに教え込めばいいし」



「ちなみに何を?」


俺がそう聞くとこちらを向いた舞は

少し不適な笑みを浮かべて



「あなたが誰の男なのかを…ね?」


「かっこいいな!?」


「秋兎くんも使っていいわよ?」


「…お前が誰の女か分からせてやるよ?」


「うほっ」


「…せっかくカッコ良かったのにな」


「ちなみにどんな感じで教えてくれるの?」


すごく期待していらっしゃる…

確かにどうやって分からせたらいいんだ?

…まぁ分からんが



「名札でも付けるか?」


「意外とハードなプレイね!」


「ハードかな!?」


「俺の所有物アピールってことでしょ!」


「あ、あぁ…確かにそうなるのか…なら、やめるか」


「えぇ~…何でよ?」


「名前書かなくても俺のものだって分かるようにしたいからだよ。」



「秋兎くんって無自覚にSよね。」


「そうか?」


自覚は確かに無いが…


「私は自覚あるドMだけどね!」


「自分を知ってるのはいいことだな!」

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