修学旅行の夜は楽しい
のんびりとした休み時間
今日も今日とてとなりの席の
神川さんは話し掛けてきた。
「ねぇ秋兎くん」
「何だよ舞?」
「修学旅行の夜って素敵よね?」
「非日常感があって良いよな!」
「それはもちろんなのだけど…」
「ん?」
「修学旅行の夜にこっそり女子部屋に男子が集まって、見回りの先生が来たタイミングで大半は外に出たのに、一人だけ好きな女子が布団に匿ってくれてドキドキする展開素敵よね?」
「今までで一番語ったんじゃないか!?」
「好きなものの話は語っちゃうわよね?」
「オタク心みたいだな!」
「私、エロオタクだから」
「色んな意味で取られそうだな!?」
「でも、本当に素敵なのは…」
「ん?」
「ついに我慢できずにおっ始めた矢先に布団をめくられて二人が顔を真っ赤にした瞬間に好きな女子の前で他の女の子に群がられて寝取られる展開よね?」
「お前詳しすぎない!?」
「エロオタクなので」
「分かったよ!?」
「でも、いつも疑問に思うのよ」
「何がだ?」
「いや、逃げ遅れた男子ほっとくんかい!と」
「あぁ…確かにな?いやまて、多分先生にマークされててどうしようもないとかじゃないか?」
「だけど考えてみて?一人足りないのよ?チクらない?」
「た、確かにな」
「自分達、怒られてるのに逃げ遅れ男子、めちゃくちゃエッッなこと沢山してるのよ?私なら張った押すわ」
「そこまで!?」
「…逃げ男は外に出たけど、遅れ男は外に出なかったって字面エッチね!」
「一瞬な!読めばそうでもないよ!?」
「『ご、ごめん…外に出れなかった』『大丈夫…君ならいいよ?』ってエロすぎない?」
「それはそうだな!」
良いものはいいと受け止めるのもたまには大切だと
俺は諦めた。
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