文化祭準備【作りましょう】

やっとのんびり出来る

文化祭準備終了間近

教室のお化け屋敷化も大分進み

カーテンさえ閉めてしまえばそれなりの

怖さは演出できそうな出来になった。

ちらっと暗くなった窓の外をみてに苦笑いしていると

神川さんは話し掛けてきた。



「ねぇ秋兎くん」


「何だよ舞?」


「夜の学校って素敵よね?」


「いつもは居ない時間だからちょっと不思議な気持ちになるよな!」



「それはもちろんなのだけど…」


「ん?」


「たくさんの男女がひとつ屋根の下みんなで汗をかきながら夜を過ごすなんて素敵よね?」



「青春の一ページを変な色で塗るな!?」


「確かに少し白っぽい色かも知れないわね!」


「想像を膨らませるな!?」


「でも、実際なかなか疲れたわね?」


「確かにな…」


ちなみに俺たちもセット作りを手伝った。

…何故か墓である。



「俺の格好的に井戸じゃないかな!?」


「私の格好はどこかしらね?」


「学校じゃないか?」


「なら、セット要らないわね!」


「た、確かにな!」


「せめて、顔から血を流してるみたいにしようかしら?」


「確かに、少しはお化けに見えるかもな?」


「ん~…頭と頬っぺたどっちがいいかしら?」


「あぁ~…頭からの方がそれっぽいかもな?」


「あとは、口から垂れてる感じで…白と赤どっちがいい?」


「赤一択だろ!?」


「そうね、白は将来にとっておくわ!」


「お、おう」


「それにしても、お墓なかなかの大作になったわね!」


「発泡スチロール使ったから床が大変なことになってるが…まぁあっちこっち同じようなもんか…」



片付けが億劫だが…仕方ないよな!

もうひと踏ん張りだ!



「お墓ね…ねぇ秋兎くん」


「どうした舞?」


「本当のお墓も一緒に作りましょうね?」


「面白いプロポーズだな。…俺よりあとに入ってくるならな。」



「あら…つまり秋兎くんは私を未亡人にしたいと?」


「したい訳じゃないが…俺よりは長生きして欲しいかな?」


「あらそう…まぁその時考えましょう…それより」


「ん?」


「未亡人って響きエッチよね?」


「ドラマの観すぎだ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る