パンダって…

のんびりとした休日

動物園から帰ってきた俺は

リビングでぐったりしていた。

そんな俺に部屋から出てきた

冬花は話し掛けてきた。




「ねぇ兄ちゃん」


「どうした冬花?」


「動物園楽しかった?」


「楽しかったぞ?」


「いいなぁ~…私も行きたい…」


「冬花、動物好きだもんな。」


「パンダに会いたい」


「パンダ可愛いよな!」


「うん!でもね兄ちゃん」


「どうした?」


「パンダって白黒逆だったらあんまり可愛くないよね?」


「あぁ~…確かに何か微妙かも」


「あと、目の黒いところつり上がってても可愛くないよね?」



「た、確かに…」


あの可愛さは奇跡の産物だったのか!?


「あとね…」


「まだ、あるのか?」


「うん、パンダの赤ちゃんってさ」


「うん?」


「野生で生きていけるの?」


「…言わんとすることは分かる!」


確かによく映像で見るパンダの赤ちゃんは

とてもじゃないが野生で生きていけそうにない!

…木からすぐに落ちるし

すぐ転ぶし、走ったら転ぶし…

もはや、可愛いだけで生存競争を生き抜かなきゃ

いけないレベルで心配になる!



「でもね、パンダの赤ちゃん見てるとね…」


「ん?」


「母性が溢れそうになる」


「…冬花お前もか!」


俺の回りが母性に目覚めすぎている!

何だ、そうゆう時期なの?

高校生ってそうなの!?


「もうね、料理とかお風呂とかトイレのお世話とかしたい」


「トイレのお世話しか出来ないじゃん!?」


「うぐっ…私はダメな母親だよ」


あ、へこんでしまった。

落ち着け冬花、お前は母ではない。


「ま、まぁ…一緒に遊んであげればいいじゃないか?」


「私に出来るかな?」


「冬花なら出来るさ…」


「う、うん!」


冬花の目に光が灯った…よかった


「来年くらいには出来るかな?」


「お兄ちゃん、許しませんよ!」


せめて、卒業してからにしなさい!

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