動物園デートの終わりと目覚めた舞
のんびりとした休日
メインイベントの白熊の赤ちゃんの飼育スペースに
到着した俺達
思ったより空いていたので出来るだけ近付いて見ていた
俺に神川さんは話し掛けてきた。
「ねぇ秋兎くん」
「何だよ舞?」
「母性が吹き出そうだわ!」
「堪えろ!」
舞はちび白熊を見ながら息を荒くして
何とも言えない目で見ていた
「育てたい…私の手で!」
「やめとけ、すぐ手を離れるぞ!?」
「子供なんてそんなものよ!」
「達観してる!?」
「白吉と名付けましょう」
「勝手に名付けるな!?」
「じゃあ、この行き場の無い母性はどうしたらいいのよ!?」
「知らないよ!?」
「…今度、冬花ちゃんにぶつけるわ」
「俺の妹に手を出すな!」
「手は出さないわよ失礼な!」
「お、おう」
「母乳しか出ないわよ!」
「それはそれでやめてくれるかな!?」
「大丈夫、立派に育て上げてみせるわ」
「もう、育ってるよ!」
「まだまだ、伸び代があるわ!」
「確かに、家事とかはな?」
「おっぱいとかね!」
「お前はさっきから胸の話題ばっかりだな!?」
「母乳類だからね!」
「哺乳類な!?」
「似たようなものよ!」
「ん~…んん~…否定しにくい!」
「しかし恐ろしくカワイイわね」
「だな…ぬいぐるみが歩いてるみたいだ…」
ハイハイってよりヨチヨチ歩きと言いたくなる
歩き方で進んでるの可愛すぎるな…
「あれが将来、陸の王になるのね…」
「あんなデカくなるとは思えないよな」
「子供ってそんなもんだけどね?」
「お前、子育て終えたのか?」
子育て終わりの主婦みたいなことさっきから
言いよってからに。
「私達がその証拠でしょ?」
そう言ってこちらを笑いながら見てきた
なるほど…俺達もそのうち#親__分かる側__#になるのか。
「まだ、もう少し子供でいようか」
「そうね…パパが寂しがるしね」
俺達は手を繋いでその場を後にした。
いつか、今はまだ知らない誰かとこれたら何て考えながら
お土産屋さんに向かうのだった
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