好きなものあれこれ

　慈悲の心で他者を救おうとする穏やかなキャラ。

　何らかの原因で虚弱な、あるいは見目がそんな感じのキャラ。

　深窓の令嬢キャラ。

　敬虔な宗教者キャラ。

　たいていこういうキャラに引き寄せられる。それが私です。

　今にも消えてしまいそうな、桜に攫われてもう二度と会えないなんて信じられないって言われそうな感じの美人。そこに何らかの暗い要素がほんのりとした影になって掛かっている。いやぁ絶景かな絶景かな。物憂げに座ってこちらに流し目を向けているような光景を額縁に入れて飾っておきたい。

　何かを信仰していて、その教えに従事するキャラ、特に周囲へ慈悲を向けて救わんとする、仏を彷彿とさせるかのようなキャラは大好きです。そういうキャラほど救われたがっていたり、何らかの重い過去を背負っていたりすると完璧。精神や姿に後光が似合うほど輝いているということは、同時にそれだけ背景が暗いということを証明しているのではないでしょうか。「あなたは私を救ってくれた」と拝まれても「当然のことをしたまでです」と微笑み、しかし「私が赦されることはないでしょう」と寂しく微笑みもされると心臓に杭を打ち込まれた気分になれます。最高。それでも私はあなたを拝む（推す）。

　それと同じくらい足を取られて沈みやすい沼が「深窓の令嬢」。サラサラあるいはフワフワで、編み込みがあるタイプも存在するロングヘア。けぶるような睫毛に縁取られ宝石のごとき瞳が覗く目。シンプルながら素材が良くて細やかかつ上品な模様や装飾が施されたブラウスとロングスカート。生足など以ての外と言わんばかりのタイツやストッキング(特に黒が良いですね黒が)。ストラップシューズやブーツといった履物(私はブーツ派。ブーツは良いぞ最高だ)。非の打ち所がない見目に、ひと目で溺死せざるを得ません。

　ご令嬢キャラは性格も千差万別ですが、私は優雅なタイプが好きです。しかしながら芯は強く、気高く、背筋も眼差しも真っ直ぐなご令嬢に落ちます。絹や花のような、柔らかくて脆そうな見目の内側に、折れない心が燃えているギャップ。惚れざるを得ない、憧れざるを得ない。好き。

　気さくで自由人だったり、変人な令嬢も好きですね。振り回されたい。あるいは振り回されてる身分違いの誰かとの仲良しなやり取りを見て癒やされたい。

　柔らかな光をもたらしながらも翳りを抱えたキャラ。深窓から姿を見るだけの遠い存在ながら、内側のギャップが良い味を出しているキャラ。素晴らしいと思いませんか？　私は思います。そういうキャラがいましたらぜひご一報を。より詳しく言うと某大手同人STGの仏教系大魔法使いとか、某刀剣擬人化ゲームの日蓮上人の刀とか明智から細川へ贈られた地蔵菩薩の彫られた刀とか、某競走馬擬人化コンテンツの病弱だけど決死の覚悟で走るご令嬢とか、そのあたりの感じのキャラです。