キングス・ワールド
昂 あきら
第零話 王者の世界
これは、ある宇宙の物語だ。
一つの次元の中には複数の宇宙が存在し、【塵世】(じんせい)と【逆世】(さかせい)と呼ばれる二つの宇宙がある。これ以外にもまだ未発見の宇宙がいくつか存在している。
宇宙全体には数多くの銀河群がある。ある種族は長い時間をかけて発展し、宇宙を渡り歩いて星々を征服している。彼らは惑星系、銀河、そして最後には銀河群まで進出する。征服された銀河群はそのすべてを征服した種族の属性によって【元素の領域】と名付けられる。また、種族の中には一つの銀河群だけでなく複数の銀河群を征服した強い種族も存在している。
【塵世】:塵世には七つの領域があり、それぞれ領域内の最強の者が王となる。さらに塵世全体を統括しているのが【創世帝】(そうせいてい)と呼ばれる存在で、その名は宇宙の帝王を意味する。【創世帝】は宇宙の真理の化身であり、十二守護神の最強の護衛として塵世を守っている。元の王が【創世帝】となると、新たな王を選挙する。【創世帝】と同じく塵世を統括する【滅世帝】(めつせいてい)も存在し、彼らは各領域の王者よりも強く、守護神の加護を受けた存在だ。領域の王者は【創世帝】の名を奪うこともできるが、そのような者は塵世の数百億年の歴史の中にたった一人しかいない。
【逆世】:塵世から逆世へ行った者はいないため、逆世に関する情報はすべて塵世に降臨した逆世の悪魔からの話だけだ。逆世にはもともといくつかの種族が存在していたが、すべて現在は【滅世帝】によって悪魔と転化された。悪魔と化した者たちは強大な力を手に入れたが、【滅世帝】の命令に従わなければ体が崩壊し、すべての力を奪われてしまいる。そのため、塵世ではまだ領域の王者が存在するため、【創世帝】の統治下に微妙なバランスが保たれているが、逆世では【滅世帝】の支配が完全になされている。逆世にいる悪魔たちの目的はただ一つ、ほかの世界を破壊し、その世界にいるすべての生物を悪魔に同化することだ。
現在塵世に存在する領域は以下の通りだ:
【光の領域】:光の領域の住民は、他の宇宙の人類に似た種族とされている。彼らは光の属性の魔法をよく使いるが、個人によっていくつかの他の属性の魔法も使いこなすことができる。環境は全体的にバランスが良く、様々な地形や景色が見られるため、塵世の中では人気の場所であり、他の領域の人々もたまに訪れる。
詳細情報:
所属する銀河群:二つ。
兵士:約3400億。
兵士ランク:
下位戦士→上位戦士→王剣騎士、「隠光の軍団」(ヒドゥンライト・ナイツ)に所属。
下位魔法師→上位魔法師→黄金魔法師、「隠光の軍団」に所属。
人口:約27兆。
【氷の領域】:この領域のほとんどは雪原と氷山で覆われた氷惑星だ。極少数の岩石惑星とガス惑星もあるものの、未だに未探索の領域も存在する。氷と水の属性は本質的には温度の差しかないはずだが、なぜか氷の領域の種族はほとんどが水属性の攻撃を使えないと言われている。他の属性との相性もあまり良くないため、彼らは他の種族から見下されることがよくある。人口は少ないだが、個々の強さは塵世随一と誇られている。(ドラゴン族を除く)
詳細情報:
所属する銀河群:一つ。
兵士:約3000億。
兵士ランク:
下位戦士→上位戦士→極氷騎士、「極氷騎士団」(ポーラーアイス・ナイツ)に所属。
魔法師には階級なし。
人口:約7.2兆。
【風の領域】:エルフたちのふるさととされる領域だ。領土にある星のほとんどが岩石惑星で、森林、湖、そして白い城がある。これは塵世の中で風の領域に対する一般的なイメージだ。ここにはエルフだけでなく、エレメンタルなども多く存在している。互いの盟約により、風の領域の軍団はエルフとエレメンタルで構成されている。また、風の領域とはいえ、塵世の中で闇と幻以外のすべての属性との相性が良いため、ここで魔法の勉強をする一族の人々も少なくない。
詳細情報:
所属する銀河群:三つ。
兵士:2兆。
兵士ランク:
ドルイド→マスター・ドルイド、「自然の軍団」(ネイチャー・ナイツ)に所属。
下位戦士→上位戦士→風騎士、「自然の軍団」に所属。
エレメンタル→偽神、「自然の軍団」に所属。
人口:65兆。
【炎の領域】:リザードマンとオーガ、猛獣たちの生息地とされる。ほとんどの領土は風の領域と似た岩石惑星で、炎の魔法を使う彼らは環境を守る意識があまりない。その結果、多くの惑星で森林が焼失し、荒れ果てている。砂漠、沼地、丘陵、火山などが特徴的な風景だ。炎と土の属性は生まれた時点で使えるようだが、他の属性の魔法は理解するための知能がないため習得できないとされている。
詳細情報:
所属する銀河群:二つ。
兵士:7000億。
兵士ランク:
戦士→野戦士→戦鬼→タイタン、「蛮炎の軍団」(フレイム・ナイツ)に所属。
ファイア・ドルイドには階級なし。
人口:5兆。
【闇の領域】:アンデッドや魔族には日照りが必要ないため、白色矮星の淡い光で十分に生息できる。温度は氷の領域ほどではないものの、非常に寒い領域だ。天候という概念はなく、時折赤い雨が降ることがあるが、それは魔術の儀式による生贄の血であると言われている。闇属性との相性は良好であり、他の属性とも比較的バランスが取れている種族だ。
詳細情報:
所属する銀河群:一つ。
兵士:8000億。
兵士ランク:
アンデッド→魔戦士→月夜騎士、「月夜の軍団」(ムーンナイト・ナイツ)に所属。
隷属→貴族→真祖、「月夜の軍団」に所属。
リッチ→マスター・リッチ、「月夜の軍団」に所属。
人口:4兆。
【雷の領域】:おそらく塵世の中で一番うるさいと言われる領域だ。ほとんどがガス惑星であり、雷と台風が一日中続く日も珍しくない。雷の属性を習得していない者はここに来るべきではないと言われている。ただし、雷に弱い者でなければ、この領域に普通の岩石惑星もあるため、地元の住民たちと仲良くすることで特に問題はないでしょう。風や炎の属性との相性は悪くないものの、なかなか勉強しようとする人がいないようだ。
詳細情報:
所属する銀河群:一つ。
兵士:3200億。
兵士ランク:
騎士→上位騎士→雷虎騎士、「雷虎の軍団」(ライトニングタイガー・ナイツ)に所属。
魔法師には階級なし。
人口:1.1兆。
【龍の領域】:大地は果てしなき金色の芝居に覆われ、空には巨大な赤い魔法陣が広がっている。数えきれないほどの空島に、属性を代表する色の湖がある。空島の上に住む様々なドラゴンたちがこの領域を支配している。この領域の本体は塵世の異空間にあるため、他の種族は許可なく入ることができず、ほかの種族との交流はほとんどない。ドラゴンは他の種族よりもはるかに傲慢で、種族の戦争には参加せず、塵世の守護者として敬われ、恐れられている。属性の相性が高く、特に幻の力を操ることができるため、その戦力は圧倒的に強力だ。
詳細情報:
所属する銀河群:なし。
兵士:12億。全員が「ドラゴン・ナイツ」に所属。
兵士ランク:なし。
人口:12億。
【妖精界】:規模は他の領域に比べて小さいだが、それでも銀河を二つほど持っており、強力な種族と言える。特筆すべきは性別の割合だ。弱肉強食の塵世の中では、炎の領域や氷の領域のような戦闘種族では、6割以上が雄性だが、妖精界ではその逆で7割以上が雌性と無性の者だ。魔法を使わずに攻撃するため、個々の強さの差は顕著だ。
詳細情報:
所属する銀河群:なし。
兵士:22億。
兵士ランク:
妖精の階級は強さではなく生きる年数によって分けられる。100年は1単位とされる。
人口:390億。
これらの領域に存在する物質には、それぞれ相応しい「魔力」が生まれながら授けられます。魔力には【炎】、【水】、【氷】、【木】、【雷】、【風】、【土】、【光】、【闇】、【龍】、【無】、【幻】という十二種類の属性があり、相生・相克の関係にある。魔力を使いこなせる者は、魔法を使い、物質を操ることができる。
力は世界に痛みと栄光をもたらする。この世界のすべての存在は欲望と理想を求めて行動し、世界はさまざまな紛争に揺れ動いているようだ。
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