性別のわからない私
よしええ
第1話 王都へ
世界は、エロで溢れている。
「……っ!?」
思わず顔を赤らめながら、俺はベッドから飛び起きる。
そして、頭を抱えながら悶絶した。
(なにをやっているんだ俺はぁあああっ!!)
俺はなんてことを妄想しているのだ!? いくらなんでも、そんな展開になるなんて...妹のような存在の賢者のミーナと、女騎士のローリエと裸でいるなんて...(いかん!俺にはカリスがいるというのに!不誠実だぞこれは!)
そう思いながらも、脳裏に浮かんでしまう。
恥ずかしそうな顔をしたミーナが、「お兄ちゃん……」と言ってきて、その隣ではローリエが無表情ながらもどこか恥ずかしげに体を触ってくる。
姿が……。
(くそぉおおおっ!!!俺はロリコンじゃないはずなのにぃいいいっ!!!)
そう心の中で叫ぶも、一度浮かび上がってしまった光景はなかなか消えない。結局その後、俺はしばらく悶々としながら過ごすことになるのだった。
カリスさんとお風呂に入った。
「あのぉ〜ここ硬いですよ...///」
私はそう言いながら、背中を流すついでにカリスさんの胸板に触れる。するとカリスさんは照れくさそうに頬を赤く染めた。
「こ、これは……仕方がないんだよ。男なら誰だってなることなんだし……」
「そうなんですね……私はまだ男性とそういう経験がなくて...」
「え?そうなのかい?」
「はい……ですからちょっと気になって……すみません」
私が謝るとカリスさんは優しく微笑みかけてくる。そして私の頭を撫でてくれた。
「大丈夫だよ。男はみんななるものだからさ」
「ありがとうございます……」やっぱりカリスさんは優しい人だと思う。いつも私のことを気遣ってくれるし、一緒にいて楽しい。それにこうしてお風呂に入っている時でも、私に対して変な目を向けることはない。本当に紳士的な人だった。
だけど、今日初めて知ったこともある。それはカリスさんの男性の部分である。そうカリスさんは夜になると豹変する。
昼間の優しげな雰囲気からは想像できないくらいに荒々しくて獣みたいになる。
『ミーナ……』
名前を呼ばれて押し倒される。そして、耳元で囁かれた。
『愛してるよ……』
思い出すだけで顔が熱くなる。
(カリスさんってあんな感じなのかしら?)
普段の様子からは全然想像出来ない姿。普段は物静かで穏やかな雰囲気を出しているけど、いざベッドに入るとまるで別人のように激しくなる。
(正直怖かったわ……でも……)
気持ちよかった。最初は痛くて苦しかったけど、途中から痛みより、嬉しさがこみ上げてくる。カリスさんに求められているということがとても嬉しいと感じたのだ。
「んっ……」
不意に自分の体に触れてみると、少しだけ湿っていた。カリスさんとの行為を思い出す度に体が疼く。
もっとして欲しいと思ってしまう自分がいる。
「……」
ダメだとわかっていても、体は求めてしまう。カリスさんのことを考えれば考えるほどに。
「カリスさん……」
小さく呟いたその名前はとても甘く響いていたのであった。
「うぅ……」
朝起きてからずっと頭が痛い。昨日はお酒を飲みすぎたせいだろう。記憶がなくならないタイプなので余計に辛い。
「あぁもう!最悪だ!」
そう言って僕はベッドから飛び起きると、そのままシャワーを浴びるために部屋を出る。そして浴室に入り服を脱ぐと鏡を見た。
「……」
そこに映るのは僕の裸体だ。女性のような細い身体つきではない。しっかりと鍛えられた筋肉質の肉体だ。
「はぁ……」
ため息を吐きながら、僕は蛇口を捻り熱いお湯を出す。それを頭から被った瞬間だった。突然誰かが入ってきたのだ。
「えっ!?」
驚いてそちらを見るとそこには全裸のミーナがいた。しかもなぜか顔を真っ赤にしてこちらを見つめている。
そこでようやく理解した。ここは脱衣所なのだ。
つまり、今僕たちはお互いに素っ裸の状態。
「ごめんなさい!!」
慌てて後ろを向いて謝罪をする。するとミーナは慌てた様子で声をかけてきた。
「いえ、気にしないでください。それよりもカリスさんはどうしたんですか?」
「いや、ちょっと飲みすぎちゃってさ……それでシャワーを浴びたらスッキリするかなって思って……すぐに出るよ」
「あっ、下着そっちにあります〜」
「うん、わかった」
そう返事をして僕は急いで体を拭くと服を着てでた」、そしてもう一度謝ると浴室を出た。
「あのさ、できれば今後はこういうことはもっとしてほしいんだけど」
朝食を食べながら僕はそう言う。するとミーナは申し訳なさそうな顔をした。
「はい……次からは気をつけますね」
「いや、そこまで落ち込まなくてもいいんだけれど……ただ、これからはなるべく二人きりの時はそういうことをしたいかなって」僕の言葉にミーナは目を丸くすると、頬を赤くしながら俯く。その姿はとても可愛らしくて思わず抱きしめたくなったが、今は食事中なので自重しておくことにした。
「あの……それじゃあ今日は二人で街に行きませんか?その……デートとかしたいです」
「俺は、デートよりここでしたい...」
「もうカリスさんたら……///」
恥ずかしそうにするミーナを見て我慢できずに抱き寄せた。そしてキスをすると、ミーナは頬を赤くしながらも受け入れてくれる。そして、ゆっくりと唇を離すと潤んだ瞳のミーナと見つめ合う。
「好きだよ……」
「私も好きですよ……」
そうしてまたキスをしようとしたところで、ローリエがやってきたので中断することになった。
「ふむ……この辺りは平和そうだな」
私は馬車の中で地図を見ながら呟く。現在私たちは王都に向けて移動している。しかし、王が移都するため、この活気も消えてゆくだろう。
「寂しいですね……」
「ああ、だが仕方がないことだ。王は国の象徴だからな」
「カリスさんは王様にはなれないんですか?」
唐突な質問に私は苦笑する。
「それは無理だな。私は騎士として生きると決めたからな」
「そうなんですね……」
残念そうな顔を浮かべるミーナ。そんな彼女の頭を撫でながら、私は言った。
「心配するな。私にとっての一番はお前だからな。お前さえいれば何もいらないさ」
「もう……カリスさんてば……でも。」
「おや?今日はなぜ検問なんかしているんだ?」
いつもは通るたびに笑顔で迎えてくれた門番たちが今日に限って厳しい顔で私たちのことを迎えてくれた。
「すまない……実は最近、近くの森でゴブリンが大量に出没していてな……危険なんでしばらく閉鎖することにしたんだ」
「そうか……では、私たちは迂回して行きましょうか。」
「それはできかねない、とにかく今日は、王都には入れない」「そんな……どうしてですか!?」
ミーナが抗議するが、やはり聞き入れてもらえない。
「すまん……」
「カリスさん……なんとかなりませんかね……」
「私が行く」
「お兄さん、セックスしてあげるから、ここを通してくれません?」
「なら、ここで脱げ」
「はい、喜んで♡」
「……」
僕は目の前の男に呆れていた。男は下卑た笑いをしながらこちらを見ている。
「どうした?早くしろよ」
「ただいま♡」
僕は服を脱ぐと男の前で股を広げて見せた。
「ほぉ〜なかなかの美人じゃないか。よし、俺の相手をしてくれよ」
「えへぇ♡ありがとうございますぅ♡」
男のモノを口に含みながら、僕は心のなかで舌打ちをした。
(くそっ!こんな奴の相手なんてしたくないけど……ミーナのためだ)
ミーナのことを思い浮かべながら、必死に奉仕をする。すると、男は気持ち良さそうに声を出した。
「うおっ……いいぞ……もっと奥までくわえろ!」
「んっ……はいぃ……♡」
喉の奥まで突っ込まれて吐き気が込み上げてくるが、我慢しながら吸い上げる。
「うおっ!やばい……出すぞ!!」
男がそう言うと同時に僕の口の中に大量の精液が出された。
「ただいま、ミーナ」
「おかえりなさい、なにかありました?」
「いや、ちょっと交渉に手こずってね」
「そうですか...」
「まぁとりあえず王都には入れるから安心しな
性別のわからない私 よしええ @Kawaiyosiee
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