Assimilation Rejection

「あなたは、私が彼に虐げられてきたから、だから殺した、そう思ってる?」

 彼女は何も言わない。

「あなたから見て、彼って酷い男だった? でもね、私にはそんなことどうでも良かったの、嘘じゃ無いわ。」

 彼女は今にも泣きそうでそれが本当に愛らしい。

「なら、どうして!」

「みんな、他人が何を考えてるか解らないと不安なのね。でもね、私、他人の考えてることが解らないと安心するの。」

 彼女は今、何を悲しんでいるんだろう?

「小さい頃からずっと。意味の分らない事をする人を見て、私と違う人間がいるんだって。だからあの日、彼が私を殴る理由が解って、もう興味が無くなってしまったの。本当に、それだけ。」

「嘘よ、あなたはそんな人じゃない。そうでしょ?」

 彼女が相手を信じられる理由、それが解らないのが、今とても嬉しかった。

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Short Shorts モリアミ @moriami

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