第二十四話 『風邪。看病。二人きり。そして何も起こらないはずもなく…②』

あらすじを3行で。

球技大会を楽しみにしてたら風邪ひく。

母親から看病してくれる助っ人が来ると伝えられる。

高瀬魅依が来た。←今ここ



「あのー、魅依さん?」

「はい。何でしょうか」

「その、看病に来てくれたことは大変嬉しくて感謝の気持ちしかないんですが、その、男一人しかいない家に一人で来るのはいささか無警戒がすぎるんじゃないかなぁーと…」


誰もが思う質問を投げかけてみると、高瀬さんはノータイムで、


「大輔くんに私を襲う勇気があるのですか?」


と返答してきた。


「ないです(断言)」


うーん、この。だめだこれ覚悟が既に決まってやがる。

まあ普通に俺が手を出す可能性は皆無だが、それでも男はみんな獣って言うし万に一つの可能性だって考えないわけがないだろう。

……だめだ。深く考えると俺に都合のいいようにしか考えられない。


「……いやそういう話ではなくてですね、おy」

「私の両親ですが、最近仲良くしてくれている友人が風邪を引いたのでその看病で遅くなると連絡を入れました。ちなみに両親二人ともその友人が大輔くん、つまり男性であることは把握済みです」

「……(唖然)」

「二人からのコメントもあります。母からは、『魅依と仲良くしてくれてありがとうございます。あと、避妊はちゃんとしてくださいね?』と」

「……(驚愕)」

「父からは、『もしうちのみーちゃんに手を出したら(自主規制)』とのことでした……父からのコメントは気にしなくていいですよ」

「……(恐怖)」


いやいやいやいやいやいや。

あれか。高瀬家は基本的に覚悟がガンギマリしてるのがデフォなんか?

あと高瀬母さんは全くもって余計なお世話ですはい。

あと高瀬父。

安心してください。この私がそんな真似するわけがないじゃないですか。

だからそんな怖いこと言わんでくださいお願いします何でもしますから。


「……今何でもするって」

「え?」

「いえ、何でもありません。それより大輔くんは病人なんですから、お水を飲んだら早くお部屋に戻って横になってください。このままだと体調も良くなりませんよ」

「……はい」


一瞬なんだか良くないものが聞こえた気がしたけど、それは置いといて高瀬さんの言うことは最もなので素直に部屋に戻る。


「あと、晩御飯は私が作りますので完成したら持って行きますね」

「はい。何から何まで本当にありがとうございます」


この高瀬さんの発言を良く聞かなかったせいで、俺が大変な目に遭うのだがこれはまた別のお話。





---------------





母さん 『そっちはどう〜?魅依ちゃんに迷惑かけてないわよね〜?』

大輔 『こうして看病に来てもらってる時点で迷惑かけてると思うんだが!?』

母さん 『それもそうね〜。でも魅依ちゃんの方から看病するって言ってきたのよ〜?』

大輔 『えっ』

母さん 『ふふふ〜二人とも仲が良くて私とても嬉しいわ〜!』

大輔 『…それは魅依さんが良くしてくれてるだけだし』

母さん 『だとしてもよ〜。本当に大切にしなさいよ大輔』

大輔 『……おう』

母さん 『あ、後一つ伝え忘れてたわ〜』

大輔 『なに?』

母さん 『もし一線を越えそうになったら〜リビングの棚の上から2番目にゴムが入ってるからちゃんとしてから致しなさいよ〜?』

大輔 『あんたも余計なお世話だああああ!!』



なんていうやりとりがあったとかないとか。

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