第十九話 『誕生日を祝おう②』
すいません作者のミスで第十九話を投稿していなかったので投稿しました。
注意してくださった方、本当に申し訳ございませんでした!
今後こういうミスのないように頑張りますので、応援していただけると嬉しいです…
名前呼び。
それは俺のような陰キャにとっては全くと言っていいほど縁がない、ある意味リア充の象徴のようなものだ(偏見)。しかし今現在進行形で、その行為を強要されている。
誰にって?
うちの母親に決まってんだろぉぉぉ!
ことの発端は、まず高瀬さんのとなりで(何故か)一緒にソファに座っていると、あらかたの準備が終わったのか、母さんがリビングに戻ってきたのが始まりだった。
母さんが突然、
「高瀬ちゃんは〜いつもうちの大輔のことはなんて呼んでいるのかしら〜?」
「ええっと、普段は葉山さんと苗字で呼ばせてもらっています」
「なるほどね〜でもうちはみんな葉山だから〜誰を呼んでいるのかちょっと分かりずらいんじゃないかな〜」
「……では名前で読んだ方が良いでしょうか?」
「あらあら〜!察しが良くて嬉しいわ〜!」
「お、おい母さん!何勝手なこと言ってんだよ!高瀬さんに迷惑だろうが!」
というよりうちの母親今日初対面の相手にグイグイ行き過ぎじゃね?
何?これがコミュ強の力だとでもいうのか?同じ血の繋がった家族でこの違い……はあ涙が出ますよこれは。
「いえいえ、大・輔・く・ん・と呼ぶことは全然嫌じゃないですよ?」
「ほえ?」
今のは聞き間違いなんてなく、俺のことを名前で読んだよね?
今まで何回か呼ばれたことはあったが基本苗字呼びだった。
だって言うのにいきなり名前呼びだなんて……俺を殺す気なのか?
「あらあら〜!でもそっちの方が分かりやすいし仲が良い風に感じるわよね〜高瀬ちゃん〜?」
「はい、大変良いと思いますお母様」
「い、いや、俺の方がきついって言うか何と言うか…」
「さて大輔〜?高瀬ちゃんがあなたのことを名前呼びにしたんだから〜…」
「え」
「あなたも高瀬ちゃんのことを名前で呼ばないと失礼よね〜?」
「は?」
は?
「!それはいい相談ですお母様!」
「え、高瀬さ…」
「ふふそれは良かったわ〜!なら私は魅依ちゃんって呼ぶわね〜?」
「はいお母様!」
「……………(唖然)」
あ、あれ?今俺いたよね?間違いなく会話に参加してたよね?
何か完璧にスルーされた挙句勝手に二人で情報が完結したんだけど…
なお俺の情報は完結していないが、これがかの有名な領域展開ってやつなのか?(錯乱)
「というわけで大輔〜?名前呼びしましょうね〜」
「え、まじでやんなきゃダメなの…?」
「大輔くん?」
「高瀬さんも!?」
と、ここで冒頭に戻る。
そもそもの話、俺は家族を含めて他人を名前呼びしたことが一度もない。
そんな俺が、だ。あの高瀬さんに対して誕生日を祝ってもらいましてや名前呼びをする初めての相手になるとか失礼にも程がある。
が、しかしだ。
「大輔くん?」
「大輔〜?」
圧がすごい…
これはもう腹を括るべきなのだろうか。
……男は度胸。覚悟を決めろ葉山大輔!
「み、魅依、さん…」
「はい!大輔さん!」
は、恥ずいんだが…何これ。
世の中のリア充はこんなことしてんのか…
「名前呼び、これからも続けなきゃいけないんですk…」
「はいもちろんですよ大輔くん」
「ですよねー…」
俺、来週から死んだかもしれん…
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