【145万字突破】俺も結婚したかったなぁ。~ランジェリーデザイナーになった異世界転生勇者の話~

しじみ汁

第一章 出会い

第一話 夢巡りで女の子たちと出会う

 女の子がいっぱい出てきて、おバカで少しエッチな展開がある物語を書きたくて投稿しました。

 楽しい気分になって読んでもらおうと、胸くそ悪い、意地悪で嫌みなドロドロ場面を極力書かないようにしています。

 どうぞよろしくお願いします。


◇◇◇


 ん? ここはどこだ?

 目に映る光景はまるで、映画で見たことがあるような中世ヨーロッパ貴族のパーティー。

 外国人がたくさんいて、そこで私と可愛らしい少女が二人でクルクルと回ってダンスをしていた。


「マヤ様、ダンスがお上手になりましたわね」


「君のおかげだよ。いつも一緒に踊っていればね」


「うふふ……」


 少女が笑顔で話しかけ、私がそれに応える。

 自分の意志とは関係なく喋っていた。

 それにしてもこの少女の愛くるしさは、顔を見てるだけでこちらが照れてしまうほど。

 美しいブラウンのロングヘアー、目がぱっちり、鼻がスッと伸び、ぷるんとした小さな唇の、非の打ち所がない完璧な美少女だ。

 冴えない男と自覚している私が、何故こんな可愛いと踊っているのだろうか。

 彼女が着ている衣装はロココ調のドレスに近いが、スカートが短めなコスプレドレスのよう。

 わわっ 踊りながら抱いていると身体に当たってるこの感触は……

 発育が良いのか、グラマーだな。


 ううっ この、可愛すぎる!

 そして良い匂い…… ふわぁぁ

 これは夢なのだろうか?

 夢なら覚めないでくれ……

 あ…… あれれ?

 視界が真っ白になっていく。そんなあ……


---


 白い視界から覚めると、私は寝転んでいた。

 そして布団を被っている。


「マヤ様、マぁヤぁさまぁ! 起きて下さい! 目は覚めてるんでしょ?

 早くお布団から出て下さい!」


「うぅぅ…… 私はまだ布団の中の住民でいたい……」


「もうっ いつも寝ぼけたことを! お布団を取りますからね!」


 今度はメイド服を着用している浅黒肌の黒髪ツインテール美少女に、無理矢理起こされている。

 私が寝ているのは、今まで実物を見たことがないような大きくてふわふわなベッドだ。

 まだ眠いのに、ツインテのメイドさんに思いっきり掛け布団をぎ取られてしまった。


「きゃっ またですかっ!」


 うお!? テントが股間にビンビンと張られている。

 歳を取ってからこんなこと滅多になかったのに、まるで若返ったようだ。

 ツインテール美少女メイドは、カッと目を見開いて私をギロッとにらんでいる。

 おおっ この娘もおっぱいが大きい!


 ありゃりゃ!? また視界が白くなる!

 可愛いツインテメイドさん待ってくれええっ


---


 三度目の場所は、大きな洋館にある広い庭だ。

 その庭にあるガーデンテーブルで、綺麗で色っぽいお姉さんと何かを勉強していた。

 彼女は魔法使いみたいなとんがり帽子を被り、紫のジャケットとミニスカを着ている。


「ねええ、マヤ君。お勉強が終わったらお姉さんといいことしようよ」


「うええ、そんなにくっ付かないでよ」


 このお姉さん、私にすりすりと頬ずりをしてきて少々鬱陶うっとうしい。

 が、めっちゃ良い匂いがするぅ!

 なんの香水だろう。甘くてとても官能的な、男を惑わす香りだ。

 ジャケットの下に着ている白いシャツはボタンをいくつも開けているから、大きく胸がはだけており谷間がはっきり見える。うひょひょ

 ミニスカ姿で露わになっている太股の間からは、ぱんつが見えそうで見えない。

 とても美味しそうな太股ふとももで、私の方がこっちに頬ずりをしてみたい。

 ――うわっ またも良いところで場面が変わるぞ。


---


 ここは広い丘の上。

 街が一望でき、とても景色が良い。

 隣には白い髪の毛のくりくり子猫のような目の女の子がいて、二人で座っていた。

 あれ? 頭には猫みたいな耳があるぞ!

 デニムのショートパンツからは長くて白い尻尾が出ていた。

 ショートパンツから伸びている太股の見かけは人間と同じで、すべすべピチピチと健康的だ。


「マヤさん、が作ったサンドイッチとタコスの弁当だニャ。早速食べるニャ」


「おお、美味しそうだね」


「ふふん、当たり前だニャ。の料理は何でも美味いニャ」


 猫娘はそう言いながら天狗になっている。

 どうやら私は猫娘と丘へピクニックをしに来ているらしい。

 タコスだって? 猫ってからい物が食べられないんじゃないの?


---


 また急に場面が変わった……

 一体何だっていうんだ。


「うん? どうしたマヤ? 剣で戦っている時は強いのに体術はいまいちだな! ふんっ」


「ぐ、ぐぬぬぬ……」


 ここは剣や槍を持った兵士がたくさんいる、運動場のような場所。

 私は金髪お団子頭で筋肉の付きが良いクッコロ女子と、取っ組み合いをしている。

 お互いの両手を組んで力比べをしているが、この子はやたら力が強い。

 タンクトップでズボンは軍用。まるで傭兵ようへいみたいな姿だ。

 こぼれそうなほどの胸の谷間が、そのタンクトップから覗いている。むっひょー


「どりゃぁぁぁ!!」


 私が胸をチラ見した一瞬に気が抜けてしまったようで、体勢が崩れて後ろを取られヘッドロックを掛けられてしまった。

 おうふっ……

 苦しいけれど、大きなおっぱいが頬に当たって気持ちいい……

 ふにょふにょだあ。


---


 せっかくクッコロ女子のおっぱいを堪能たんのうしていたのに、またも場面が変わる。

 この綺麗な女性はシスター?


「さあマヤ様、女神サリ様にお祈りをしましょう」


「「愛と慈母の女神サリよ。

 我らに大いなる愛といつくしみをはぐくたまえ。

 祝福と安らぎを与え給え。

 ダノス・アモール……」」


 誰もいない教会の一室に、キリスト教の司祭のような服を着た女性と私がいる。

 そして目の前にある女神像に向かって二人でお祈りをしているところだ。

 銀髪で色白、清楚で大変美しい女性だ。

 彼女の瞳はあおと灰色!?

 なんと、オッドアイやヘテロクロミアと言われる左右違う目の色をしていた。

 彼女の容姿も相まって、とても幻想的な美しさだ。

 そんな女性が目の前にいるなんて過去に体験したことが無いのに、リアルさが半端ない。


 ああ…… また視界が白くなっていく……

 彼女をもっと見ていたかった……


---


 ええ!? ブラジャーと女性モノのぱんつがいっぱい!?

 しかも高級そうな、とてもセクシーなランジェリーを着けられているトルソー(※胴体だけのマネキン)がいくつも展示されている。

 そしてそばにレジカウンターがあり、店員らしいヨーロッパ系の綺麗な女性が二人。

 ここはランジェリーショップなのか!?


「マヤ様! 今期も最高売り上げを更新しましたわ!

 マヤ様がデザインしたこのふんどしショーツと、ピンク色の可愛いボクサーブリーフが特に好評なんです」


 三十代半ばくらいの細身で綺麗な女性が、私にそれらの下着を手に掲げて見せてくれている。

 彼女は膝丈のタイトスカートを履いており、社長夫人のような雰囲気である、

 私がデザインしただって!?

 そんな才能を私は持ってないぞ!

 ううん…… 確かに私は女性の下着が大好きなんだが……

 いやいや、男の性欲として標準的な範囲だぞ、たぶん。


「マヤ様のブランド『ロベルタ・ロサリオ』のTバック、今履いているんですよ。

 旦那もすごく喜んでくれて…… うふふ

 マヤ様はまさにこの国の下着の革命家ですね」


 もう一人の明るいブラウンのウェーブボブヘアで目がぱっちり、色白の可愛い二十代半ばと思われる女性が、私に仰天発言をしている。

 なっ…… Tバックも私がデザインしただと?

 旦那がいるということは、人妻のTバック…… むふふ

 それにロベルタ・ロサリオというのが私のブランドって、一体どういうことだ……


 あうう…… また場面が変わるうぅ……


===


 う、うーん……

 私の部屋の天井が見える…… 布団の中にいる。

 今のはなんだ…… 夢だったのか…… うーん……

 女の子がたくさん出てきていたけれど、もう忘れてしまった。

 夢というのは起きた後も時々はっきり覚えていることがあるが、だいたいは忘れてしまうものだ。


 私は毛利麻也、もう五十歳になる。

 残念ながら結婚経験は無く嫁も子供もいない一人暮らし。中肉中背だ。

 若いときは彼女がいたこともあったが、それほど女性付き合いが得意ではなかった。

 三十代半ばを過ぎて見た目も中年おじさんと呼ばれる姿になってから、女っ気がなくなってしまった。

 職場の女性と仕事上の話をするくらいである。


 仕事は、大手ホテルグループで地方にあるホテルの支配人をやっており、悪戦苦闘の毎日。

 支配人というと聞こえは良いが、言うなれば雇われ店長と同じで上司と部下に挟まれた中間管理職だからなかなか大変な立場だ。


 そんな私の楽しみは、帰宅してからの一杯のビールと、子供の頃から好きだった漫画やアニメを見ることだ。

 オタクと言えるほど突っ込んだ知識は無いが、視聴した作品の数はかなり多いのではないかと自負している。

 昭和の格闘ヒーローモノから、平成令和の異世界転生モノまでいろんな作品を見てきた。

 二年前に支配人になってから立場的に忙しくなり、自宅と職場を往復するばかりの毎日だ。

 アニメ視聴を消化するのも大変になってきたが、お手軽にストレス解消になるので、この趣味を持っていて良かったと思う。

 でもこのままでいいのか、孤独死する高齢者の話をよく聞くので、自分もいつかそうなってしまうのではないかと不安になる。


---


 某月某日。この日はクレーム処理があり、片付いたら午後十一時になっていた。

 何でも、お客様の一人が電話で予約したのに予約が入っていないということで、六十代の男性だったがかなりご立腹だった。

 この場合、間違えた日にちを思い込んだり、全く別のホテルを予約して本人が忘れていることがある。

 コンピュータで予約名の検索しても出てこないので、過去の無断不泊該当分か、別のホテルの予約だった可能性が高い。

 幸い一部屋だけ空いていたのでご案内出来たのだが、このお客様は沸点が低いのか早いうちから怒鳴り散らしており、若い女性のフロント係では対応出来そうになかったので私が出て、それでも諫めるのに時間がかかってしまった。

 おいおい、そんなに怒っていては時間が経つばかりで自分が損するばかりだぜ。

 きょうび楽なインターネット予約があるのに、電話予約するなら予約内容をメモしとけよ、なんて怒鳴られながら思っていたがそんなことは口に出せない。

 接客業のつらいところだが、ここまで媚びる必要など本当は不要だと思う。

 サービス業従事者は奴隷じゃないし、【お客様は神様だ】という言葉を勘違いしている人が未だにいるのは残念だ。


 さて、すっかり遅くなり帰宅するために社員駐車場からマイカーに乗る。

 帰り道は国道を走る。

 この道は日本列島を縦貫する幹線道路の一つで、深夜は長距離トラックが多くなる。

 今は見通しの良いまっすぐの区間を走っている。

 目の前が突然、まぶしいライトに照らされる。


「え?」


 私の車は対向車線をはみ出していた。

 急ブレーキをしたが避けきれる間もなく……


「はっ!? うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 私が乗る車とトラックは正面衝突してしまった。

 原因は私が疲れで瞬間的に居眠りをしたからのようで、当然車は大破してしまった。


 なんだ……

 俺、どうなっているんだ。

 痛いのか……

 痛すぎて痛みもわからないくらいだ。

 母さん…… 母さん……

 走馬灯が流れてくる。これがそうなのか……

 子供の時の家族の姿、友人らと楽しくオフ会をやっていた時、若いときに付き合っていた彼女……

 なんだってこんな時にあのの姿が。


「あぁ…… 俺も結婚したかったなぁ……」


 ――声にもならなかったが、それが麻也の最後の言葉になった。

 

 毛利麻也 享年五十

 

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