絶対解体バラバライズム~弱ジョブ解体師が悪魔と契約。魔人となった冒険者の成り上がり冒険譚~
玉根 亮太郎
プロローグ
「ぐっ……な、なんで!?」
クロは地面に倒れながら言った。体から大量の血が流れ出るのを感じる。
「はははは! なんでってそりゃあ、おまえが役立たずだからだろ?」
金髪碧眼の青年ローレルは、嘲笑いながら剣を血払いして鞘に納めた。
「『解体師』でしたっけ? モンスターの死体を解体する卑しいジョブに相応しい末路ですわ」
そう言ったのは赤毛の魔女メリッサだ。薄ら笑いを浮かべて見下ろしている。
「がはははっ! まぁ許せ。俺達も明日を生きていかにゃあなんねぇ」
大声で笑ったのは、斧を担いだスキンヘッドの大男、ゲルバルド。
「ともかく、この”ダゴンの血液”はもらっていくぜ」
ローレルは、クロの手から転がり落ちた、緑色の体液の詰まった小瓶を拾い上げると、クロの耳元でこう囁いく。
「おまえのこと、ギルドには死んだって報告しておくよ」
そう言い残すと3人は去っていく。
「だ、誰か。助けて……くれ」
あんまりだ。今日、長年の目標であった冒険者になり、これらからだったのに。初日に、しかも仲間に裏切られて殺される。あんまりな死に方ではないか。
そもそもなぜ、クロがこんなことになっているのかと言えば、事の始まりは数刻前に遡る。
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