第80話 今後やるべき事と、引っ越し作業を踏まえて。

さて、今後やる事は山積みですわ。

一度整理した方が良さそうですわね。


まず、今住んでいる国での活動については継続。

道具店サルビアは今後朝の露のメンバーが。

新店舗である道具店サルビア二号店は雪の園のメンバーが。

ネイルサロン・サルビアはエルザとメルに経営の方はお任せし。

冒険者専用のネイルサロン・サルビア二号店はハカリンとモリスにお任せし。

道具店サルビアの二階にあるネイルサロンはファルンさんにエリンさんにお任せし。

洋服店兼ガーゼ専門店、名前は決めてませんでしたわね。こちらは分かりやすく、『服とガーゼのサルビア』にしておきましょう。こちらについては今後商業ギルドから人員をお借りするか、貴族が減る事を視野に入れ、ネイルサロン・サルビアで雇われオーナーと書類関係の専門になりたい方を募集。

そして、今度作られる『カフェ・サルビア』に関しては商業ギルドから店員を雇う事。


少なくとも、『服とガーゼのサルビア』と『カフェ・サルビア』の店舗を整える事、そして道具店サルビア二号店の引っ越しを一カ月の間に済ませねばなりませんわ。

正直バタバタしすぎてどうにもならない可能性が高い。

これらの問題を片づけない事には、カイルも気持ちよくナカース王国へ行くことは出来ませんわ。


――と言う事で、夜皆さんが集まっている間にノートに書いたこれらの問題を皆さんとで話し合った結果、忙しさが落ち着いている今のうちに雪の園の皆さんとわたくしとで、道具店サルビア二号店への道具を並べていく作業を行い、更に雪の園の皆さんに手伝って貰って他の二店舗も綺麗にすることで纏まりましたわ。

それに、各店舗に箱庭との通路を作らねばならないので仕方ない事ですわね。

更に言えば、ブレスレットを持つ方々のブレスレットの改良も必要ですわ。

わたくしが箱庭にいる間は何とかなるにしても、急にカイルへの連絡が必要になる場合も出てきますもの。

昔の携帯で言うバイブレーション機能付きにして、冬場は温感、夏場は冷感機能をつけましょう。

それらが連絡の方法と分かれば、緊急事態にも動きやすいはずですわ。


わたくしは「フ――……」と息を吐くと、此れから始まる一カ月の忙しさに気合を入れましたわ。

まずは一つずつ。

道具店サルビア二号店からですわね。

ネイリストに関してはロキシーお姉ちゃんが声を掛けてくれることになってますから安心ですわ。

後はカイルが時間を見て商業ギルドで店員を5人程雇う事で纏まってますものね。

レジも出来る人材となると少ないですけれど、ダンノージュ侯爵家の名を出せば下手な人材は寄こさない筈。



「さ、とりあえず早めに寝て明日朝から始まる引っ越しに向けて頑張りましょう!」



そう言うとわたくしは早々に眠りにつきましたわ。

そして翌日――。

朝からお店に出すよう倉庫となっている小屋に雪の園の皆さんと向かうと、そこにあるアイテムボックスを一式全部運んで道具店サルビア二号店へ道を作り向かいましたわ。

一度カイルが来た時に道を作っておいたのでわたくしも楽に来れますわね!


皆さんにアイテムを並べて貰っている間に、わたくしはアイテム名と値段、そして効果を書いた商品メモを作っていきますわ。

これはわたくしの仕事ですので、大体頭の中に入って居ましてよ!

流石にダンノージュ侯爵家が購入した店ですから、店内の掃除も行き届いていたので、アイテムを置くだけで良さそうで助かりますわ。

レジも今使っているものと変わりがありませんわね。この二号店の凄い所は、レジが二台あることですわ。

新たな店員が増えたとしても問題ありませんわね!

それに4人で作業をすれば早い事早い事。

三日もすれば完璧な店が出来上がりましてよ!



四日目からは『服とガーゼのサルビア』で服のディスプレイやガーゼ商品を沢山並べていきましたわ。

更に赤ちゃん用の、そしてママ達の為の汗疹対策のパフや虫刺され薬等、そう言ったものを今は並べておいて、後で作るべきは、生まれたばかりの赤ちゃんと言うのは乾燥にとても弱いんですの。

お風呂上りや乾燥している日などに使いやすい、全身用の乳液を用意しなくてはなりませんわね。生まれたばかりの赤ちゃんと言うのは乾燥にとても弱いんですの。

後はお風呂に入れる保湿液も作りましょう。

ママ用にはこの世界には母乳パットと言う物が無いらしいので、そちらも試しに作ってみておきましょう。

それにハンカチくらいのガーゼも沢山用意したいですわ。

母乳を上げているママ達のおっぱいは何時も激戦に耐え続けているんですもの。

少しでも労わらないといけませんわ。

それと、忘れてはいけないのは妊娠中のママ達の悩ましい妊娠線を薄くするクリームですわね。

この世界にも貴族は持っているようですけれど、庶民にだって使っていいではありませんの。

ドンドン作りましてよ!

オープンしたら目新しい物が多くて店がパンクしない様にしなくてはなりませんわね。

とは言え、魔法が使える裁縫師の方々がアパートの建設してますから、こちらのお店のオープンは先になりそうですわね。


そんな事を思いつつディスプレイが終わると、作らねばならないアイテムをメモっていると、雪の園の皆さんが「激戦が来るぞ」「オープン初日は激戦だ」と口々にしていましたわ。

確かに激戦かも知れませんけれど、赤ちゃん用品は必要経費だと思いましてよ!


『服とガーゼのサルビア』は二日で終わったので、最後はネイルサロン・サルビアの移転するお店ですわね。

元々化粧品を売るお店だったようで、内装は完璧でしたわ。

個室が多いのは、貴族の方々を一人ずつ相手にしていた名残でしょう。

10部屋もある個室があれば、貴族が減った際でもやっていけそうですわね。

こちらはネイルサロン・サルビアらしくオシャレなディスプレイを作っていきますわ。

流石ナナノさんとハスノさん、オシャレなディスプレイの仕方はとってもお上手でしたの!



「ここに絵が欲しい」

「わたしは此処に宝石箱が欲しい」

「ちょっとお洒落な付与アクセサリーでも置きましょうか?」

「身代わりの華は」

「この国ではわたしたちの特権にしてほしい」



そう、あれから雪の園の皆さんと朝の露の皆さんには、身代わりの華を作って既にお渡ししているのです。

彼女たちの命を救った美しいバラは彼女たちにとっても似合っていますわ!



「では、指輪なんてどうかしら」

「指輪に付与?」

「ええ、指輪なら貴族らしいでしょう?」



そう言うとお二人は了承してくださいましたわ。

作るアイテムに宝石箱と付与アイテムの指輪が追加になりましたわね。

こちらも一つずつ終わらせていきましょう。

――こうしてネイルサロン・サルビアの新店舗も綺麗にできたのはその日の内でした。

そして久しぶりに皆さんが集まった夜――わたくし達は引っ越しが終わった事の報告をしましたの。

けれど――。




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お越しくださり有難うございます。

本日も一日三回更新です。

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