第24話 駄肉女神、ついに覚悟を決めて食べられる。

話を纏めると、何時まで経っても私と夫婦らしいことをしていない事を心配したエルグランド様の両親が、二番目の妃にと連れてきたのがフォルニャンと言うこの頭の悪そうな女性と言うことは分かった。

フォルニャンは由緒ある太陽神の女神の一人で、二番目でも妃に丁度いいだろうと送ってきたようだが――。



「帰れ。さ、フォルなんとかがお帰りだ。荷物を纏めて送ってやってくれ」

「お待ちくださいませエルグランド様! わたくしは貴方との子をもうける為にやってきました! 子ももうけず追い出すなんてあんまりです!」

「俺の唯一は誰か聞いていないのか」

「きいてまーす!」

「帰って貰おう」

「でもでもー? 奥さんは二人いて沢山子供を産んだ方が良いと思うですよー?」

「要らん。フィフィがその分産んでくれるしフィフィ以外の女を抱くなど気持ち悪い」

「そんなっ こんな駄肉よりも優れた身体を持っているのに!」

「これは俺の問題だ。そもそも両親には子作り中にお前が入ってきて妨害されたと連絡した。貴様にもおって沙汰があるだろう」

「そんなぁ……お取込み中って知らなかったんですものぉ~! バーンって登場して驚いて貰って、ついでに一目惚れして貰えればそれで、」

「気持ちの悪い女だ、生理的に受け付けん事もしたためておこう」

「やめてやめてやめて―――!!」



必死に暴れるフォルニャン様を他所に、エルグランド様は両親に魔法鳥を飛ばすと、頭を抱えて仕方なく離宮に迎えが来るまで閉じ込めておくことになったようだ。

フィルニャンについてきた侍女たちは慌てながらも駄々を捏ねるフォルニャンを連れて離宮へと向かったようだけれど……。

意外と子作りしてない事が、大問題だったんですね。

エルグランド様が焦る訳だ。


その後、エルグランド様との夫婦の部屋に私たちとタイリス、暫くしてエルナさんが訪れると、エルナさんは頭を抱えて溜息を吐いている。



「折角お二人がドッキングしようかという時に」

「言い方、言い方」

「両親には邪魔をされた事と、生理的に受け付けない事は既に送ってある。このままここにいるのも二日か三日だろう」

「そうですね」

「しかしドカンと一発やるところで来るなんてタイミング悪いなぁ」

「言い方よ……」

「でも、他の妃が送り込まれたってことは、早めにお二人がズキューンしないと新たな三番目、四番目が送り込まれますよ?」

「そうだな……とても困っている」

「う……タイリアたちも困ってます?」

「「はい」」

「はぁ……恋も愛も分からぬうちに妊娠することになるのか」

「何度も体で愛し合っていれば自然と愛し合えると聞いたことがありますよ?」

「いつもは理性的な彼が獣に! みたいな! 燃えるだろ!」

「ん――燃えなくはありませんが」



エルグランド様が獣になったら、燃やされそうなだよね。

結合中にエルナさんに治療してもらうのも恥ずかしい……。



「しかし、幾ら血筋が良いとはいえ、エルグランド様のご両親は何をお考えなのでしょう? あのような馬鹿を寄こすなんて」

「それは言えてる」

「血統だけで寄こしてきたんだろう。 両親は良くも悪くも抜けているからな」



そう話したところで、エルグランド様の元に魔法鳥が訪れ、魔法鳥が手紙に変わるとエルグランド様は中を読んでホッとした様子。

どうやら謝罪と、一週間後に出来の悪い娘を送ったので引き取りに来るという連絡だったそうだ。そしてその間に私とエルグランド様は再度結合し合い、愛し合っていて欲しいという内容だった。

最後が余計だ最後が!!



「まぁ、一度は一つにならねばならない運命のようだな、フィフィ?」

「凄いいい笑顔でいわれましても」

「一週間は朝昼夜のご飯には訪れますが、時間を決めておきましょう。その時であればお二人はドッキングしてないでしょうから」

「それがいいな。俺は一度ヤリだしたら止まらないと思うからな」

「私初めてなんですけど」

「初めてでも痛みを和らげる薬を用意して貰っている。大丈夫だ」

「そう言う問題ですか?」

「ま、頑張れよ!」

「レッツ子作りです!」

「他人事だと思って!!」

「身体から始まる恋もあるさ」

「そうですそうです」

「ちくしょう!!」



どうやら、エルグランド様のご両親が来るまでに一度は一つにならねばならないらしい。

悲しい事だが……腹を決めた方が良さそうだ。

そしてその日の夜、念入りに身体を綺麗にされ、見たことも着たことも無いエロい夜着に着替えさせられると寝室に押し込まれ鍵を掛けられた!!!

逃げ場がない!!!!!



「フィフィ」

「う……」

「さぁ、おいで」



既に全裸待機のエルグランド様がベッドにいらっしゃる。

女は度胸!! 嗚呼、恋をしてみたかったなぁ……。

前世でも推しに恋をするくらいで、三次元には恋をしなかったんだよな。

言われるがままベッドに横になると、しかりと薬も使われたし声が枯れるまで抱きつぶされ、気が付けば意識を失い眠りについたのは言うまでもなく……。



朝、エルナさんが来ると治療ついでに食事を貰い、その後も一週間シッカリとやられたのは言うまでも無かった。




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お越しくださり有難うございます。

本日も三話同時更新です。

明日でラストです。

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