山が笑った
仲仁へび(旧:離久)
第1話
それはちょっと今の時代よりも昔の出来事。
家電とか機械とかが、世の中に出る前の出来事。
小さな村に、身の回りの色々な物に魂が宿っていると、知っている人達がいた。
その人達は山に囲まれた生活を送っていて、普段とても不便していた。
なぜなら、近くの村や町に行く時には、山を越えていかなければならないからだ。
だから何とか便利にしようと考えた結果、近くにある山を掘って貫通させようという考えが出た。
しかし人々は、その計画を実行する事はなかった。
なぜなら山に魂があると知っていたからだ。
近くにある山は、自分に魂がある事を隠さなかった。
それで人々は、山の声を聞いた事がある者が多かったためだ。
計画がやめになって、削られる事がないと知った山は「がはは」と笑った。
「変わった人間たちだなぁ。人間は弱いのに、便利になって強くなろうとしないなんて」
小さな少年が、答える。
まるでおかしい事だとは思っていない様子で。
「だって友達だもの、便利になるとしても、友達を傷つける事はしたくなかったんだ」
それから時代が変わり、生活が豊かになるまで、その山と人々はずっと仲良く暮らしていった。
山が笑った 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます