第162話 京王線沿線
バブル期に地方から上京してくる学生は、東急東横線がいいとか、小田急の下北沢がいいとか、吉祥寺がいいとか、そういう感じで、せっかく東京に来たんだから、おしゃれな街がいいとして下宿先を選ぶようですが、京王線沿線はおしゃれじゃないのか、知名度が低いのか、その話題の俎上にも乗らず、大学はたくさんあるのに都内で一人暮らしするとか、あまり地方上京組は少なかったような気がします。
今、タワマン1億円とか言われますが、バブル期はそんなものじゃありませんでした。高幡不動の叔母の家の評価が1億2千万円
調布市の仙川のウチのあたりで1億円を下回る物件はありません。仙川の南側の成城は目の玉飛び出る値段です。
私の小説の主人公が仙川駅の近くのマンションの月家賃が12万円というのはまだリーズナブルな方です。光熱費食費で20万円くらいになり、慶應義塾文学部の学費をくわえると、相当な額になりますが、バブル期は地方の親でもそれが負担できる給料をもらっていました。
京王線沿線には井の頭線に東大の駒場キャンパスがあり、東大の学生が結構多くて、銀行に家庭教師をします、という張り紙を貼る掲示板がありました。
東大生の家庭教師の相場はバブル期で時給2500~3000円くらいです。
東大のよくない所は、駒場は教養学部で理科Ⅲ類に合格しても2年間理科Ⅲ類です。
旧医科大学の流れを組む新潟大学医学部は1年生から医学部なので1年生から医学部の本格的な授業が始まります。旧帝大もまったくないわけではありませんが。
これが旧帝大と旧医専の違いだと思いました。
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