支援職人の探索者
@tsuda_mutsumi
プロローグ
かつて禁断の地と呼ばれた地がある。
北大陸の南西端に位置するそこは、北西からぐるりと南東までを神霊山脈に囲まれ、残りは断崖絶壁の海によって遮られている陸の孤島である。
神霊山脈は一万メートル級の山々が連なり、人の身で超えることは適わず、何人の侵入も拒む天然の要塞と化している。
海路でも両入り口に差し掛かった途端に激しい海流に襲われ超えることができない。
唯一の入り口は、神霊山脈と海との境にあるわずかな陸路のみ。
そんな秘境は、禁断の地と呼ばれ、何人も立ち入らない場所であった。
しかし、数百年にも及んだ静寂の期間も遂に破られることとなる。
唯一の陸続きであるアレシア王国が周辺国との勢力争いで劣勢となり、疲弊した末に辿り着いた打開策がこの地の調査である。
王国の第一次調査団が少なくない犠牲を払いながらも辿り着いた先で目にしたものは楽園であった。
神霊山脈から流れる雪解け水がやがて大きな河川となり、三角州を形成して肥沃な大地を作り出していた。
三角州周辺には王国側からは確認できなかった浜辺があり豊富な魚介類が採れ、神霊山脈の麓から続く大樹海からは森の恵みが溢れている。
そして彼らは出会った。伝説上の種族としてしか認識されていなかった獣人やエルフにドワーフといった亜人達である。
彼らの出会いから百年。
禁断の地は現在はこう呼ばれている。
迷宮自治都市ヨシュアと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます